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ERMENEGILDO ZEGNA(AGNONA) ①

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19世紀後半に当時時計職人であったアンジェロ・ゼニアは織物工場の設立を思い立ち、1910年に設立されたその工場は、アンジェロの10番目の末息子であったエルメネジルド・ゼニアの功績によって織物工場の枠を打ち破る、世界に名立たる高級メンズファッションブランドへと変貌を遂げました。
これが皆様ご存知の“ERMENEGILDO ZEGNA(エルメネジルド・ゼニア=以下ゼニア)”の成り立ちです。
弊社は同社が1999年に買収した高級婦人服地ブランドで、現在は“ゼニア”の工場内で生産されている“AGNONA(アニオナ)”を長年取り扱っており、私も“ゼニア”は親しみのあるメーカーの一つです。
4年前に初めて訪問して以来、久しぶりにビエラ近郊の村 トリヴェロにある同社の織物工場(創業の地)を訪問してきましたので、シリーズでご紹介させていただきたいと思います。
まず、左上写真はムッソリーニの時代に建てられたという本社社屋。
エントランスを入ると現れる重厚で美しいエントランスホール(右上写真)は素晴らしいコンディションが保たれていて、当時の雰囲気を現在に伝えています。
そして今回初めて案内していただいたのが、工場に隣接する敷地にある美しい庭園(左下写真)。
この庭園内にはエルメネジルド・ゼニアが実際に暮らしていた家(右下写真)も現存しているのですが、工場内の喧騒とは打って変わって静寂に包まれたこの空間にいると、20世紀初頭にタイムスリップしたような不思議な感覚におちいってしまいました。
-続く-

COMING SOON

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いよいよ明日からGWですが、基本的にお天気も良さそうなので行楽地も賑わうのではないでしょうか。
我が家は例年同様今年も軽井沢に行ってきます。
さて、毎年5月最後の土・日曜に、軽井沢を舞台に繰り広げられるヒストリックカーのタイムラリー“ジーロ・デ・軽井沢”が行なわれるのですが、今年は5月31日・6月1日の日程で第7回大会が開催されます。
私は3回目の出場を予定していますが、今回は弟ではなく友人のW君にナビを務めてもらうことになっています。
先月軽井沢に行って久しぶりに愛車を動かしましたが、実はエンジンの点火系に不具合があった為、そのまま軽井沢のお知り合いのガレージに入院していました。
もう退院できる筈なのですが、このGWは既に一ヶ月を切ったビッグイベントに向けての愛車の調整が主要任務になりそうです。
#写真は昨年の第6回大会のものです。

SPECIAL GIFT

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今回は久しぶりに“MONO”について書かせていただきます。
2回に亘りお届けした“VITALE BARBERIS CANONICO(ヴィターレ・バルべリス・カノニコ/以下カノニコ)”への初訪問の話題でしたが、同社の素晴らしい工場を見学できた事と共にもう一つの収穫だったのが、現社長のご子息であるフランチェスコ・バルベリス・カノニコ氏との出会いでした。
なんと創業以来11代目にあたるという同氏はまだ37歳の若さで、欧米マーケットのセールスを統括する人物(残念ながらフランチェスコ氏の写真は撮っていませんでした)。
昼食にお招きいただき、日伊の業界事情や服地、スーツなどの話で大変盛り上がったのですが、驚かされたのは氏のスーツへの造詣の深さ。
英伊の多くの有名テーラーでご自分のスーツを仕立ててきて、なんと英国服地を使用したビスポークスーツも多く愛用しているとのことでしたが、自社製品に拘らないその探究心には感心させられました。
そんなフランチェスコ氏からいただいたのが、同社のスーツ用フラノ地で作られた非売品のシューバッグ(左写真)と、右写真のカノニコ製“4PLY”スーツ地。
ざっくりとした素晴らしい質感のこの“4PLY”スーツ地は、同社の倉庫の片隅にある経営陣専用の棚にリザーブされていたもので、同氏曰く「この棚の服地は、全て経営陣とその友人の為のエクスクルーシブなものなんだ」との事。
嬉しいプレゼントに、次回再会する時にはこの服地で仕立てたスーツを着て行くことを約束してきました。

VITALE BARBERIS CANONICO ②

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“VITALE BARBERIS CANONICO(ヴィターレ・バルべリス・カノニコ/以下カノニコ)”初訪問の続編です。
前回書かせていただいたように、年間生産量800万メーターというとてつもないスケールや、全工程で湿度を80%に保つことから始まる徹底したクオリティーコントロール。そして、服地の仕上げに利用する大量の水を、自社内でほぼ100%浄水し再利用するなど(イタリアの大規模ミルの中でもこちらだけとの事)、ずば抜けた先進性と高級服地生産へのこだわりに感心しきりの初訪問でした。
服地生産に関して私が最も驚いたのは“WEAVING(織り工程)”で、左上写真をごらんいただければお分かりいただけると思うのですが、織機(LOOM)がカバーで完全に密閉されています。左が密閉中の織機で、右が開いている状態です。
私は今までたくさんのミルを見てきましたが、このようにカバーがついた織機は初めて見ました。
特注品との事でしたが、その理由を尋ねると「第一は、工場内はたくさんの繊維片が空気中を舞っているので、カバーによって異物の織り込みを防ぐため。そして第2の目的は、耳栓をしていても長年工場内で作業していると耳が悪くなるので、作業員の耳を守るため。当社では20年前からこのような特注の織機を使用している。」との事。品質だけでなく従業員の健康にまで気を配る同社の姿勢には、本当に感銘を受けました。
右上写真は最新式の洗浄機で、全ての仕上げ工程が終わった反物は、不良箇所がないかどうか熟練工員によってしっかりとチェックされます(左下写真)。
そして出来上がった反物は、前回ご紹介した紡績後の糸の倉庫(全自動・無人)同様の倉庫(右下写真)に収納されていくのですが、ベルトコンベアーで次々に運ばれてきて、“UFOキャッチャー”のような機械で摑まれ同じく自動的に運ばれてきた籠に反物が落とされていく様は近未来的で、英国の伝統的もの作りを見慣れている私には非常に新鮮に映りました。
高品質のもの作りには、様々なアプローチがあることを実感させられた今回の訪問でした。

VITALE BARBERIS CANONICO ①

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今回の出張で初訪問となったのが、そのルーツを1663年まで遡るというイタリアミルの名門中の名門、“VITALE BARBERIS CANONICO(ヴィターレ・バルべリス・カノニコ/以下カノニコ)”です。
ミラノから車で約90分の町、ビエラ近郊のトリヴェロ地区に広大な工場を擁する同社は、紡績から仕上げまでを全て自社内で行いながら、年間約800万メーターという膨大な長さの高級紳士服地を生産しています。これはスーツに換算すると約270万着というとてつもない数になります。
日本ではイタリアを代表する服地のブランドの一つとして知られながらも、価格のリーズナブルさゆえ郊外型紳士服店や低価格オーダースーツ店で販売されることも多い為、“カノニコ”の服地に少しチープなイメージをお持ちの方も多いと思います。
しかし、同社の服地のクオリティーとコストパフォーマンスの高さは業界関係者の中では有名で、実は“カノニコ”の最大取引先は服地メーカーから世界的ファッションブランドに変貌を遂げたイタリアの“Z”社であったり、高級服地マーチャントとして知られるあの“S”社の多くの服地を織ったりしているのです。
前置きが長くなりましたが、左上写真はまるでカリフォルニアのIT企業の様に明るく開放的な同社のオフィス棟の、中心に位置する中庭。同社の敷地と建物は広大すぎて、全容を撮影することは不可能でした。
右上写真は原毛をストックする倉庫で、ウールやモヘアなどが大量に貯蔵されていました。
ちなみに同社の工場内は全工程で湿度が約80%に保たれているのですが、これはクオリティーの高い服地を製造する為に徹底されているそうです。
紡績された糸は高さが4階建てのビル程もある全自動・無人倉庫で保管され(左下)、次の工程へと運搬される際も無人フォークリフト(右下写真)で運ばれます。
私は今まで色々なミルを見てきましたが、“カノニコ”はその規模・先進性ともに突出しており、見学していて久々に興奮してしまいました。
-続く-

NAVY JACKETINGS

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今回は弊社の豊富な服地コレクションの中から、毎夏人気のサマージャケット地をピックアップさせていただきます。近年はクールビズの影響もあり、サマージャケット地の需要が増えてきていますが、やはり定番中の定番であるダークネイビーは毎年品切れとなる人気ぶりです。
“エドウィン・ウッドハウス”の“エア・ウェイ サマー・ジャケティングスⅣ(上写真左側)”に収録されている、メッシュタイプのモヘア混ジャケット地“サマー・ジャケティングス”は、長期に亘りベストセラーとして君臨する人気服地。ダークネイビーの品番は“2812-2302(左下写真)”。
そして最近注目を集めているのが、“スコフィールド&スミス”の“ライトウェイト・シルク・ジャケティング(上写真右側)”に収録のシルク混ジャケット地です。ダークネイビーの品番は“9340(右下写真)”。(コレクションの詳細はこちらから)
通気性と防シワ性に優れたメッシュタイプのモヘア混ジャケット地と、エレガントで美しいシルク混ジャケット地は、その魅力・特性ともに異なります。
ご着用シーンに合わせてお選び下さい。

DUOMO DI MILANO

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ミラノの話題に戻らせていただきます。
世界最大のゴシック建築物であるミラノの大聖堂“DUOMO(ドゥオモ=左上写真)”は、古くはミラノ公国の、そして現在はロンバルディア州の州都であるミラノの象徴として親しまれています。
この“ドゥオモ”は1386年に建築が始められて以来、400年以上の歳月を経て1813年に完成し、19世紀を通じて全ての鉄塔と装飾が仕上げられました。
第2次世界大戦中の1943年にミラノは空襲を受けましたが、この大聖堂は連合国の判断で爆撃を逃れました。
そして、大戦が終わるとすぐに“ドゥオモ”は大修復を受けると共に、木製の扉が青銅製のものへと取り替えられました。
右上写真はその扉(正面入り口)の一部分のものですが、イエス・キリストに鞭を打つ人物の左足がピカピカと光っているのがお分かりいただけると思います。
これは「この人物の左足を触ると幸せになる」というような言い伝えがあり、多くの人が触るうちに磨かれてこうなったらしいのですが、今回調べてみてもその言い伝えの詳細は分かりませんでした。
左下写真は“ドゥオモ”の横にある有名なデパート“RINASCENTE(リナシェンテ)”の最上階のカフェテリアのもので、そのテラスではこの荘厳な大聖堂を違ったアングルで見ながらエスプレッソをいただくことが出来ます(右下写真)。

SPRING IN KARUIZAWA

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2月の欧州出張以来、催事や仕入先の来日などで休日出勤が多かった為、家族サービスもあまり出来なかったのですが、この週末は中軽井沢のお知り合いに預かっていただいている愛車を久しぶりに動かしがてら、1月以来となる軽井沢に行ってきました。築約50年の我が家はまだ寒くて使用できない為、今回も宿は駅前のホテルを利用しました。
さて、金曜の夜遅くに到着した時の気温は6度程度でかなり寒かったのですが、翌日は天気もよく昼までにはかなり暖かくなりました。
我が家を点検に行ってみると、ご近所のカフェ“ミハエル(左上写真)”が既に今年の営業を始めていました。GWからだと勝手に思っていたのですが、毎年4月から営業しているそうです。
朝だったのでいつもの“ロシアンティー”ではなく、サイフォン式で淹れられる美味しいコーヒーをいただきました(右上写真)。
午後になり家内と長男が温泉に行っている間に、私は次男を横に乗せて冬眠から覚めた愛車でショートドライブへ。
右下写真は“雲場の池”の様子で、まだ葉のない木の姿が目立ちますが、GWのころには若葉が随分と増えていることと思います。
1泊2日の慌しい旅でしたが、よい気分転換になりました。

DELLA SPIGA

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ミラノでは今回も週末を過ごしたので、市内各所を散策することができました。
一番の高級ブランド通り“モンテナポレオーネ”は、市場調査の一環としていつも行くようにしているのですが、本日は今回初めて訪れたショッピングストリート“デッラ・スピーガ”について書かせていただきます。
“モンテナポレオーネ”のすぐ横を平行して走っているこの“デッラ・スピーガ(上写真)”は石畳の閑静な通りで、“エルメス”を始めとする多くの有名ブランドが軒を連ねています。人も車も多い“モンテナポレオーネ”とは一味違う、ゆったりとした雰囲気が素敵でした。
この通りにあった“CAR SHOE(カー・シュー=左下写真)というショップは、ウインドーに飾られたホイールの数々が目立っていて「ドライビングウェアのブランドかな?」と思っていたのですが、後で調べてみると1963年に創業されて2001年にプラダグループの傘下に入ったブランドで、モカシン型のドライビングシューズが特に有名とのこと。
今回は入らなかったので、次に行った時はゆっくり見てみたいと思います。
右下写真は、“エルメス”のショーウィンドーのもの。
ショップのウィンドーにはあまり使われない生花の斬新なディスプレーに、思わず足を止めてしまいました。
水は霧吹きで根に直接あげるのでしょうか?

CASTELLO SRORZESCO

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実は出張でミラノに行くようになってまだ2,3年程の私は、行った事のない名所がたくさんあります。そこで今回は、その一つである“CASTELLO SRORZESCO(スフォルツェスコ城)”に行ってみることにしました。
14から15世紀にかけてミラノ公であったヴィスコンティ家とスフォルツァ家の居城として使用されたこの城は、1466年に時の当主 フランチェスコ・スフォルツァによって城壁が建てられて以来、現在まで変わらぬ姿を保っています。
内部は美術・博物館となっており、ミケランジェロの最後の作品として知られる“ロンダニーニのピエタ”などが収蔵されています。
残念ながら、今回はあまり時間がなかったので内部を少し散策しただけでしたが、5世紀を超える長い歳月の記憶をその荘厳な建築に秘めるこの“スフォルツェスコ城”には、何とも言えない迫力を感じました。
左上写真は正門前広場からで、右上写真は同じ塔を城内の中庭から見た模様。
左下写真の彫刻は場内に飾られていたもので、その素性は分かりませんでしたが、かなり古い物のようです。
この城の裏には48ヘクタールの広大な敷地を誇る“センピオーネ公園”があり、城の裏門(右下写真)を抜けるとミラノ市内で有数の緑豊かな景色が広がっています。
この日は公園に移動遊園地が来ていて、子供達で大賑わいでした。