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UK DRIVING LICENCE

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今日はMONOの話題をお届けいたします。
私の出張の必需品の一つに“英国の免許証”があります。
これがあるとEU加盟国の全てで運転をすることができるのですが、近年の出張で車を運転するのはもっぱら英国のヨークシャー周辺のみです。
私が1995年に渡英した時はとりあえず国際免許証を持って行ったのですが、すぐに12年落ちの気合の入った中古車を購入した為、国際免許証だと更新が一年に一度だったり、自動車保険が高くなったりするので思い切って日本の免許を英国の免許に書き換えました。
時間と多少の手数料はかかったものの、無事書き換えが出来て現在は2ヶ国の免許証を保持しているのですが、現在は制度が変わり書き換えると元の免許が没収される為、両国の免許を持つのは難しいようです。
英国の免許証は現在紙の本体とプラスチック製のフォトカードで構成されているのですが(右写真)、驚くことについ8年程前まではこの写真の無い本体だけしかありませんでした。
勿論、名前と生年月日などだけで本人を判別することは不可能なので、私は夏休みなどに帰国する時には日本人の友人に免許証ごと車を貸したりとかなり大胆なことをしていました。
しかも、この本体の有効期限は満70歳の誕生日までなのです!!
この英国のおおらかさには私もビックリしたのですが、さすがに問題になったらしく現在は10年に一度更新が必要なフォトカードの保持が義務付けられています。
ただ、この本体とフォトカードは揃って携帯していないといけないのですが、本体の内容は全てフォトカードにも記入されている為、「なんで本体も持ち歩かないといけないのだろう?」と思うのですが、そこは「伝統と格式の国」英国の数ある不思議の一つなのです。
(ちなみに私の英国の免許証の住所は現在、主力取引先の一つ“リア ブラウン&ダンスフォード”の住所にさせてもらっています)

NEW SHOPS

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7月末の渡英の話題も今回で最後となりました。
この時は「挙式&パーティーに出席の為」というイレギュラーな出張でしたが、時が経つのは早いもので今週の日曜には“秋の定例出張”に旅立ちます。
さて、今回は新しいショップの話題です。
サヴィル・ロウを代表する新進気鋭のテーラーとして有名な“RICHARD JAMES(リチャード・ジェームス)”は29番地にショップを構え、主にレディーメイド(既製服)とメイド・トゥー・メジャー(パターンオーダー)のフィールドで活躍してきました。
モダンブリティッシュの旗手として益々人気が高まる中、本店の斜め前で(同店はサヴィル・ロウとクリフォード・ストリートの角地)、サヴィル・ロウからボンド・ストリートに抜けるクリフォードストリートの19番地に、ビスポークスーツの専門館となる“RICHARD JAMES BESPOKE(リチャード・ジェームス ビスポーク)”が本年の春にオープンしました(左写真)。
今回は覗く時間が無かったのですが、モダンでクールな広々としたサロンでした。
既製服を始める老舗テーラーは多いのですが、ビスポークを始める新進ブランドはあまり聞かないので、聖地サヴィル・ロウでも嬉しいニュースと言えるのではないでしょうか?
もう一店は、同じクリフォード・ストリートの14番地(ボンド・ストリート寄り)に今年5月にオープンした、クラシコイタリアスーツの王者“KITON(キートン)”の新しいショップです。
ブランド通りのボンド・ストリートに近い為か、レディースを前面に打ち出したソフトな雰囲気の店です。
最近は、スーツブランドがカジュアルウェアやレディースなどに力を入れる例が増えていますが、王者“KITON”も例外ではないようです。

SAVILE ROW② HENRY POOLE

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ロンドンの話題に戻らせていただきます。
以前の“SAVILE ROW①”でも書かせていただいたように、サヴィル・ロウを取り巻く環境も少しずつ変化していますが、今日も多くの老舗テーラーが軒を連ねていることは本当に素晴らしい事で、紳士服の聖地は今も健在と言えます。
サヴィル・ロウの老舗と新進テーラー達が初めて団結し、本年1月にフィレンツェで開催された“PITTI UOMO(ピッティー・ウォモ)”に招聘されて行った特別展“The LONDON CUT/ Savile Row Bespoke”の成功にも見られるように、大量消費時代へのアンチテーゼとしての要素もあり、「男のロマン」が詰まったビスポークスーツへの注目度は高まってきており、ここにきて老舗テーラー達もアクティブな動きを見せてきています。
老舗中の老舗と言われる名門“HENRY POOLE”もその一つで、毎シーズン様々なプロモーションを打ち、ディスプレーでも紹介しています。
今期は、名相ウィンストン・チャーチルが「初めてのビスポークスーツ」として同店で注文した、チョークストライプのフランネルスーツが復刻されディスプレーされていました。
スーツには勿論ボウタイが合わせられていましたが、これだけでもチャーチルの雰囲気が出ていますよね?
この様なスタイルを着こなし、シガーが似合うような大人の男に、私は憧れてしまいます。

MARRONNIER GATE

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今日、明日と2日間催事の為、いつもの東京交通会館(有楽町)におります。
ニュースなどでも取り上げてられていたので、ご存知の方も多いと思いますが、シャネルやカルティエの旗艦店の進出で注目を浴びている銀座の“マロニエ通り”の入り口、“プランタン銀座”の真横に新しい都市型商業ビル“マロニエゲート”がオープンしました(左写真)。
昨日オープンしたばかりなので凄い人混みでしたが(右写真)、ここから目と鼻の先で会場からもよく見えるので、用事で出たついでに覗いてきました。
12階建てのビルに33のショップと14のレストラン・カフェを擁する“マロニエゲート”ですが、同じく本年オープンした“東京ミッドタウン”や“新丸ビル”に比べるとかなりスケールは小さいものの、この手のビルには珍しく“東急ハンズ”が5フロアに亘って入っているのが特徴で、プランタン銀座との相乗効果でかなりの集客力が見込めそうです。
ちなみに、この“マロニエゲート”と“プランタン銀座”の実質的オーナー会社は読売新聞で、現在両ビルが建っているいる場所は、以前読売新聞の本社及び関連施設があった場所だそうです。

HARRISONS BEAR

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ちょうど2年前のこの時期、2005年の秋冬シーズンに向けて始動したハリソンズのプロモーションが、“HARRISONS BEAR(ハリソンズ・ベア)”でした(左写真)。
至高の100%カシミアジャケット地“CACHET(キャシェ)”を表地に使用するこのベアは、32色の豊富な色柄から好みの2色(ボディー、耳の中・手の裏・足の裏)をお選びいただいた後、スコットランドの熟練職人により一体ずつハンドメイドで製作され、そのカラーマッチングは992通りにも及びます。
また、右足裏のハリソンズロゴと別に、オプションで左足裏にイニシャル等の刺繍も入れられ、家族や恋人への特別なプレゼントとしても最適で、“LEON”にも大きく掲載され話題となりました。
右写真は、二キータに“HARRISONS BEAR”を贈るジローラモ氏ですが、着ているジャケットも“CACHET”を使用したオーダーメイドのものです。
このプロモーションは大好評のうちに終了しましたが、現在もこのプロモーションに参加していただいた多くのテーラー、オーダースーツショップ様の店頭で、サンプルベア達がディスプレーとして活躍しています。
さて、前置きが長くなりましたが、最近「ディスプレー用として是非欲しい!」というお取引先様からの声が多い為、期間限定の復活を目指して実は現在メーカーと交渉しています。
まだ、具体的な時期などは決まっておりませんが、今回の使用服地は今期新登場のジャケット地“MOONBEAM(ムーンビーム)”を考えています。
詳細が決まりましたら、こちらでもまた紹介させていただきたいと思います。お楽しみに!!
#今回は、テーラー、オーダースーツショップ様でのディスプレー用としての企画ですが、期間内であれば一般の方にもハリソンズ服地のお取り扱い店でオーダーいただける予定です。ただ、プレゼント用包装のご準備などは予定しておりませんのでご了承下さい。

1st ANNIVERSARY

この“MOMORANDUM(3代目の雑記帳)”は、お蔭様で明日1周年を迎えることとなりました。
あっという間だったような、でもこのブログに書いてきた文章を振り返ると多くの出来事があったような、私にとってはそんな1年でした。
たくさんの方々にご覧いただき、また応援いただいたからこそこの1年続けてくることが出来ましたが、今後も皆様にお楽しみいただけるページ作りを心掛け、頑張っていきたいと思っております。
これからも、どうぞ宜しくお願い申し上げます。

SAVILE ROW①

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日曜の夕方にヨーク発の特急に乗り、ロンドンへ向かいました。
日本へのフライトは翌日の夜だったので、ロンドンで1泊し月曜日は短時間ながら散策することができました。
ロンドンではまだセールが続いているショップが多く、サヴィル・ロウでも1番地の“GIEVES & HAWKES”がファイナルセール中でした(左写真)。
ただ、同じサヴィル・ロウでも他の老舗の多くはプレタポルテを扱ってない為、セールはありません。
前回行ったときにはまだ工事中だった、“GIEVES & HAWKES”のお向かいの“ABERCROMBIE & FITCH(通称:アバクロ)”がもうオープンしていました。(注:角地で入り口がもう一方の通りに面しているため、住所はバーリントン・ガーデンズ7番地になります)
右写真がエントランスの写真ですが、大きな看板も無く、元の建物の重厚感を活かしたシックな外観で正直予想外でした。
しかし、写真では分かりにくいですが、入り口の奥にはムキムキな美男子モデルが上半身裸で立っており、さながら「生きたマネキン」と言った感じでした。
発想は面白いですが、ショップの中からは音楽が大音量で聞こえ
洋服屋というよりはクラブといった印象で、同店の袋を持ったカジュアルな客同様、サヴィル・ロウ周辺の落ち着いた雰囲気に確実に影響を与えていました。

HARLOW CARR

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挙式の翌日の日曜も、気持ちのよい一日でした。
夕方にロンドンへ移動する予定になっていましたが、朝にエドウィン・ウッドハウスのもう一人の4代目(従兄弟) ウィリアム・ゴント氏がホテルまで迎えに来てくれ、既にチェックアウトしていた為ロビーで1時間程かけて仕事関係のミーティングをしました。
その後、氏の家族が一足早く行って待ってくれていたティーサロンでランチを取る為に、町の郊外へと移動しました。
このティーサロンは先日このブログでも紹介させていただいた、ハロゲートを代表し全国的に有名な“Bettys(ベティーズ)”の支店なのですが、“Royal Horticultural Society(王立園芸協会)”が運営する“Harlow Carr(ハーロウ・カー)”という大きな庭園に隣接しています。
まだ新しく、広々として開放的なこのティーサロンは、休日ということもあり多くの家族連れで賑わっていました(左上写真)。
美味しいランチの後は、学生時代からのお気に入りのアールグレイをデザートと共に味わい大満足です。
その後、氏の家族と共に庭園内を散策しましたが、花と緑が溢れる美しい風景に魅了されました(右上写真)。
テーマ別のガーデニングコーナーなどもあるのですが、もし自分の家を建ることが出来たら、是非参考にしたくなってしまうような素敵なミニガーデンが多数ありました(下写真)。
慌しかった今回の旅の中で、唯一ゆったりと寛ぐことができた日曜の午後でした。

WEDDING & RECEPTION④

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ディナーが一段落するとパーティーはだんだん盛り上がっていき、各テーブル対抗のゲームや歌合戦などではかなりヒートアップしました(左上写真)。
そして会場の雰囲気がかなり和んだところで、新婦の父、新郎、新郎の友人代表といった順序でスピーチがありました(新郎挨拶・右上写真)。
皆着席して神妙な面持ちで始りましたが、やはりユーモアの国・英国だけあって、皆ウィットに富んだ楽しい挨拶の数々で、感動あり笑いありと盛り上がったスピーチタイムでした。
そして、宴も中盤に差し掛かると新郎・新婦のデュエットを合図に生バンドでのダンスタイムが始り(左下写真)、会場中の老若男女が参加しての舞踏会となりました(右下写真)。
私も数人の女性からダンスに誘われたのですが、社交ダンスの経験が無い為お断りしていましたが、最後には特に熱心に誘ってくれたムッチリ系(笑)ヨークシャー美人に踊り方を手取り足取り教わりながら、飛び入り参加してきました。
勿論これは別に私がモテた訳ではなく、遠い国からの出席者に対する紳士・淑女の国一流のホスピタリティーがあってのことで、お陰で私も思いがけず英国での初ダンスを経験することができました。
ダンスはその後24時頃まで続いたそうですが、私は長旅の疲れもあった為その1時間ほど前に会場を後にしました。
私が11歳の頃から交友があり、現在も老舗ミル、マーチャントとして取引を続けているジョン・ゴント氏の、今回の挙式&レセプションに招かれた事は大変に光栄なことでしたが、同時に様々な新しい出会いあり、21年ぶりの再会ありの良き思い出となりました。

WEDDING & RECEPTION③

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ここでまた、去る7月28日(土)に行われた老舗ミル エドウィン・ウッドハウスの4代目(従兄弟同士の共同経営者の一人)、ジョン・ゴント氏の挙式&パーティーの話題に戻らせていただきます。
前々回にはパーティーのスタートまで書かせていただきましたが、今回は新郎及び私の衣装(モーニング)を紹介させていただきます。
この日のドレスコードは参列者もモーニング着用という格式の高いものだった為、私が日本から行く時には衣装がシワにならないよう折らずに機内持込にするなど気を遣いましたが、そこは打ち込みのいいウッドハウス服地!長旅の後でも全く問題ありませんでした。
写真は乾杯が終わり、賑やかなディナーが続いている時に撮ったスナップです。
実は新郎のモーニングコート、ウェストコート(ヴェスト)、トラウザースは、日本のあるテーラーさんに仕立てていただいた日本製なのですが(仕上がりもフィッティングもバッチリで、本人も大変喜んでいました!)、服地は勿論全てウッドハウス製です。
モーニングコートは、エドウィン・ウッドハウスの150周年記念クオリティーの“CELEBRATION(セレブレーション・SUPER150'S & CASHMERE)"を使用し、ウェストコートとトラウザースは同社のフォーマルウェア用SUPER120'S服地からチョイスしました。
そして、私のモーニングコートとウェストコートは同じくウッドハウスのフォーマルウェア用SUPER120'Sを使用していますが、トラウザースはあえてスーツ用のSUPER120'S(THE CAMBRIDGE COLLECTIONより)の千鳥格子を選び、英国のクラシックなフォーマルウェアをイメージしたコーディネイトをしてみました。
一見選択の幅が狭そうなフォーマルウェアですが、この日の出席者の着こなしを見ていると、英国人は決められたルールを守りつつも、個性を演出することが上手な事を改めて感じさせられました。
折りしも来る2007A/Wシーズンには、ウッドハウスから新しいフォーマルウェアのコレクション(バンチ)“THE KNIGHT LIFE COLLECTION(ザ・ナイトライフ・コレクション)”が登場しますので、タキシードやモーニングなどのフォーマルウェアを誂えようとお考えの方は、是非お楽しみにお待ち下さい。
次回は、パーティーのクライマックスからエンディングまでをお伝えしたいと思います。