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MR. GORDON KAYE

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昨日はイブ、そして今日はクリスマスですね。
皆様いかがお過ごしでしょうか?
さて、今回は先週の金曜日を以って52年にも亘る輝かしいキャリアに終止符を打ち引退した、“TAYLOR & LODGE(テイラー&ロッヂ)”前社長 ゴードン・ケイ氏について書かせていただきます。
ゴードン・ケイ氏は16歳の若さで服地製造業界に身を投じ、今はもう存在しない当時の有名ミル“LEAROYD(リーロイド)”などを経て、“テイラー&ロッヂ”の社長に就任。以来、英国を代表する名門ミルの運営に力を注いできました。
誰もが認める氏の魅力はその人柄。
人懐っこくフレンドリーな性格でありながら、機知に富みビジネスマンとしても優秀で、ハダスフィールドで最も人望のあつい人物の一人として英国服地業界を代表する人物でした。
私がこの業界に入り初めて氏にお会いした時には「私がこの業界に入って初めて会った日本人はあなたのお祖父さんで、彼には色々なことを教えてもらった。また、あなたのお父さんも学生の頃から知っている。あなたの一族には親近感を持っているよ。」との言葉をいただき、嬉しかったことを覚えています。
あれから約8年。
氏を惜しむ声は世界中の業界関係者から聞こえてきましたが、先月68歳の誕生日を迎え、遅ればせながらの静かな生活を望む氏を止めることは誰にもできません。
ゴードン・ケイ氏の今までの功労を称えますとともに、第二の人生を末永く楽しまれますことを願っております。
(氏のアップの写真が無くて申し訳ありませんが、右上写真は以前に工場見学をさせていただいた時のものです)

M200

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弊社のサイトのコンテンツの一つ、“A GUIDE TO FABRICS”内の“VIRTUAL TOUR”に書かせていただいておりますが、現在の“エドウィン・ウッドハウス”の本拠地ファースリーに誕生した宣教師 サミュエル・マーズデン(1764-1838)は、後にニュージーランドに渡り住み、1807年に初めてメリノウールをオーストラリアから英国に持ち込んだ人物として、英国服地の歴史に名を残す功労者です。
同氏は他にも数々の功績を残し、1838年にオーストラリアのシドニーで一生を終えています。
高品質な英国服地は世界中で高い評価を受けていますが、それは英国に持ち込まれたファインウールの恩恵によるものが大きく、サミュエル・マーズデンの存在無くして今日の英国服地はありえなかったとも言えます。
本年はこの初めてのメリノウール輸入から200年を数える記念すべき年であり、“M200”と名付けられた同氏の功績を称えるイベントが複数開催されています。
上の写真はテキスタイル業界紙の記事なのですが、“エドウィン・ウッドハウス”の4代目共同経営者の一人、ウィリアム・ゴント氏が駐英オーストラリア大使を表敬訪問した時のことが書かれています。
ウィリアム・ゴント氏がリチャード・アルストン駐英オーストラリア大使にプレゼントしているのは、現在の同社のスーツ地ラインナップでトップとなる、SUPER200'S & CASHMERE“MIRAGE(ミラージュ・日本未発売)”です。
“エドウィン・ウッドハウス”も本年創業150周年を迎えましたが、英国服地の輝かしい歴史を象徴する今回のイベントに招かれ、ウィリアム・ゴント氏も誠に光栄と喜んでいました。
左下写真は、“エドウィン・ウッドハウス”の本社から300m程の場所にあるサミュエル・マーズデンの記念碑、右下写真は改良が進みよりファインな原毛を生み出す、今日のオーストラリアメリノ種の羊です。

THE COUNTRY OF SMILE

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今回は、先週末に行ってきた「微笑みの国」タイの話題をお届けします。
私は社会人になってからは旅行で海外に行く機会があまりないのですが、航空会社の特典航空券を2,3年に一度いただけるので、その際は短時間で行けるアジア諸国に住んでいる友人を訪ねに行く事にしています。
タイの首都バンコクには私の高校の同級生が根を下ろしており、4年前に初めて行って以来今回で2度目の渡航でした。
一応は2泊3日だったものの、到着が夕方で出発は早朝だった為、実質1泊2日のかなりハードな旅でしたが、友人の奥さんやすっかり大きくなったお嬢ちゃんにも4年ぶりに再会する事ができました。
前置きが長くなりましたが、上の写真がバンコク市内の朝の風景。
所狭しと走りまわる“トゥクトゥク”には南国情緒が溢れています。ちなみに到着した日の気温は34度でした。
下の写真は、2日目に連れて行ってもらったパタヤのビーチです。
パタヤはバンコクから車で約1時間半程の距離にあり、東京の感覚で言えばさしずめ“湘南”のような近場のビーチリゾートです。
初めてのジェットスキーや美味しいシーフードを愉しみ、久しぶりの海を満喫することができました。
今回の滞在は本当にあっという間の短いものでしたが、旧友と過ごした時間や日常生活ではできない体験は、まさしく“PRICELESS”なものでした...

A NIGHT IN OMOTESANDO

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前々回の記事にも書かせていただきましたが、一昨日から“エドウィン・ウッドハウス”の4代目共同経営者の一人、ジョン・ゴント氏が来日しています。
昨晩は、表参道のとあるレストランに於いてオーダースーツ業界の若手有志によるパーティーが催され、私たち2人もお招きに与りました。
会場には多くの参加者が集まりましたが、若手テーラーの方やショップスタッフの方が多く、グラスを片手に業界の話や洋服談義で盛り上がるシーンが多く見られました。
右上写真はジョン・ゴント氏、左下写真はバンド演奏の時のものです。
その後には、同氏が司会の方によって紹介されてマイクを持つ場面もあり、私も慌てて通訳をさせていただきました。
私にとっても普段会えない方々とお会いできるいい機会だったのですが、楽しい会話で時間が経つのをすっかり忘れ、少し飲みすぎてしまった表参道の夜でした...

EDWIN WOODHOUSE -Ⅲ-

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“エドウィン・ウッドハウス”の社内からアップした9月27日付の記事でも少し触れましたが、今回は同工場の片隅に保管されていた「謎のビンテージカー」について書かせていただきたいと思います。
この車は、皆様ご存知の英国の高級車メーカー“JAGUAR(ジャガー)”の名車“XJ-6 Sr.1(4.2L 1971年式)”で、4代目の現共同社長ジョン、ウィリアム両氏の祖父(ゴント家の2代目社長)が新車で購入し10年ほど愛用していたものです。
その後、工場内の倉庫で長い眠りについていたのですが、2年前にジョン・ゴント氏がレストアすることを決意。
専門工場で長い時間をかけた入念な作業が行われ、今年の初夏にようやく長い眠りから覚め、晴れて公道でのドライブが可能となりました。
7月28日に行われたジョン氏の結婚式では、この車が新郎・新婦専用車の栄誉を与えられ、一生に一度の大切な日に花を添えました。
エンジン、駆動系や足回りは全てオーバーホールされていますが、塗装は状態が良かった為オリジナルのままで、年季の入ったすごくいい雰囲気を醸し出しています。
私も食事に行く時に運転させていただきましたが、40年近い年月を感じさせないゆったりとして快適な乗り心地で「さすがジャガー!」と関心させられました。
祖父の愛車を孫がレストアして、自分の結婚式で自らハンドルを握る。
なんとも英国らしく、羨ましいストーリーです...

EDWIN WOODHOUSE -Ⅱ-

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今回は、英国を代表する名門ミル“エドウィン・ウッドハウス”の、“サンプルルーム”で行われるミーティングについて書かせていただきます。
毎回まず話し合われるのは次のシーズン(9月の訪問だったら次のS/Sシーズン)のコレクションの詰めの話ですが、それが終わるとさらにその次のシーズン(1年後のA/Wシーズン)に追加される新しい色柄について話し合います。
1年後のシーズンまでは時間の余裕がある為、すでに同社のコレクションに入っている色柄だけでなく、日本からリクエストを出したりもするのですが、同社が大切に保管している過去の“アーカイブ(今までに製造してきた全ての服地を記録した台帳)”からインスピレーションを得ながら、その場で「柄出し」の作業をすることもあります。
この“アーカイブ”は基本的に全ての老舗ミルが保有していますが、服地のデザインは各ミルにとって非常に大切なものである為、ミルにとってはまさしく「かけがえの無い財産」ということになります。
長い歴史を誇る“エドウィン・ウッドハウス”では、1857年の創業以来の“アーカイブ”が保管されていますが、今回使用したのは1935年のもの(左上写真)です。
中は右上写真のようになっており、販売先(マーチャントや高級既製服メーカー)別のページに分けて“スワッチ(小さく切られた服地)”が貼られています。
“BURBERRY(バーバリー)”などの有名メーカーの名前も頻繁に登場し、服飾の歴史の1ページを垣間見ることができます。
左下写真はアーカイブを閲覧している同社4代目共同経営者の一人、ジョン・ゴント氏ですが、同氏は来週再来日する予定となっています。
近代のサンプルはもう少し大きい状態のもの(右下写真)を見る事ができますが、こちらでも40年程前のものだそうです。
最近は“英国服地”、そして“伝統的な英国の色柄”にスポットが当てられていますが、先人達が作り上げてきたデザインの中には、現代に於いても新鮮さを感じさせてくれる優れたものがたくさんあるのです。

YURAKUCHO / GINZA

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今日から2日間催事の為、有楽町の交通会館に来ています。
今日は幸い天気にも恵まれ、街も人出で賑わっています。
近年、有楽町/銀座エリアは再開発や新しいビルのオープンが相次いでいますが、街の風景も随分と変わってきました。
左上写真は、“有楽町マルイ”を核テナントとする複合商業施設“ITOCiA(イトシア)”です。10月にオープンしたばかりということもあり、大変多くの人が訪れていました。
右上写真は先月オープンしたばかりの“アルマーニ/銀座タワー”です。オープニングにはジョルジオ・アルマーニ氏も来日し、大きな話題になりました。
下の写真は、期間限定のモノグラム・ペインティングが施された“松屋銀座”と、“ミキモト”のクリスマスツリーです。
街中がクリスマスデコレーションで溢れる今日この頃、今年も残すところあと僅かですね...

EDWIN WOODHOUSE -Ⅰ-

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ヨーロッパ出張の最終目的地は毎回英国のヨークシャーとなっており、大体4日間程滞在するのですが、最大仕入先である“エドウィン・ウッドハウス”にはいつも2回訪問します。
左上写真はいつも大半の時間を過ごす“サンプルルーム”で、大きな窓とサンルーフがある為、自然光でサンプル(右上写真)を見ることができます。
壁には年季の入った賞状や、服地展示会でのディスプレー用に製作された様々なオブジェなどが飾られています。
左下写真は、同社の創業者エドウィン・ウッドハウス氏と夫人が、1889年にフランス政府からパリの万国博に招待された際に贈られた賞状です。
有名な“エッフェル塔”は、この年の万国博を記念して建造されました。
右下写真は、1913年に同社の事業を譲り受けた現オーナー家のウィリアム・ゴント氏に関する新聞記事を使用したオブジェです。
同氏は現共同社長の曽祖父にあたる人物で、この1934年発行の新聞記事にも同社の輝かしい歴史を垣間見ることができます。

TAPE MEASURES

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今回は海外出張シリーズをお休みして、“MONO”の話題をお届けいたします。
テーラーにとっての必需品の一つに“テープ・メジャー”があり、これがないと顧客の採寸作業ができません。
その為使い易いメジャー選びが非常に重要になってくるのですが、今回は本場英国のテーラー達が愛用する逸品をご紹介いたします。
写真のメジャーは“BRASS END(ブラス・エンド)”と呼ばれる真鍮製の金具を先端に持つメジャーで、創業1895年のドイツの名門メジャーメーカー“HOECHSTMASS(ヘキトマス)”社製のものです。
こちらは片面ずつインチとセンチの両表記になっています。
正確さと使い易さを求められるメジャーですが、同社の製品はヨーロッパ中で高い評価を受けており、サヴィル・ロウの多くの老舗テーラーでも使われています。
ちなみに“ブラス・エンド”とは何の為にあるかご説明しますと、服を着たまま足の長さを計る際に、この金具を指で押さえながら使うと男性の大事な部分に触らずに正確な採寸ができるのです。
右写真の下の5本は幅が1/2インチ、上の5本は幅が3/4インチのもので(1インチは約2.54センチ)、各々3インチと4インチの“ブラス・エンド”が付いています。
弊社では、ライニング(裏地)・キャンバス(芯地)等の付属類も豊富にストックし、英国のテーラー達を幅広くサポートしている名門マーチャント“リアブラウン&ダンスフォード”を通して上記の2種類のメジャーを取り扱っておりますので、ご要望のお取引先様は弊社担当までご連絡下さい。
#恐れ入りますが、弊社お取引先様以外への販売はいたしかねますのでご了承下さい。(10本単位での販売となり、通常のAIR取りより長い納期をいただきます)

WINDOW DISPLAY -Ⅱ-

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ロンドン滞在時のミッションの一つが、様々なショップのウィンドーディスプレーを見て廻ることです。
大掛かりなものもありますが、日本のテーラー様、オーダーショップ様などでもすぐに応用できる実用的なアイディアも多く、私もお取引先様に良いご提案が出来るように、なるべく多く見て廻るようにしています。
前々回はサヴィル・ロウの老舗テーラーのディスプレーをご紹介しましたが、今回はその他のメンズクロージングショップのウィンドーディスプレーをご紹介いたします。
まずはリージェント・ストリートを代表する大型セレクトショップ“AUSTIN REED(オースチン・リード=上写真)”のディスプレーです。
この時は9月の下旬でしたが、これから訪れる秋をリアルに感じさせてくれるダイナミックなディスプレーで、多くの人が足を止めて見入っていました。
綺麗な色彩が目を惹きますね。
もう一つは、英国のメンズファッションをトラディショナルとモダンの両面で表現してきた人気ブランド“HACKETT(ハケット=左下写真)”です。
こちらはジャーミン・ストリートのショップですが、「ヒストリックカーでのモータースポーツ」をテーマに掲げたディスプレーが施され、歴史を刻んできたヒストリックカーに相応しいトラディショナルで品のある装いがオン・オフともに紹介されています。
右下写真は、偶然ジャーミン・ストリートの“ハケット”の近くに停められていた“AUSTIN HEALEY(オースチン・ヒーレー)”の名車“100”です。
やはり本場のヒストリックカーは、街の雰囲気にしっかり馴染んでいますね。
#写真が見にくい場合は、クリックすると拡大してご覧いただけます。