中断してしまいましたが、“富岡製糸場”の話題に戻らせていただきます。
この史跡が誇るのは、日本の産業革命の原点という輝かしい歴史と共に、なんと言っても美しく重厚な西洋建築の数々です。
工場内は「倉庫」、「工場」、「住居」などいくつもの建物に分かれており、その殆どは明治5~6年に建てられたものですが、皆素晴らしいコンディションを保っています。
さて、内部の様子をご紹介いたしますと、左上写真は“乾燥場”の1階部分にある繭の搬入場所で、工場に到着した繭はまずこの建物内で乾燥され、その後右上写真の“倉庫”で保管されます。
そして、いよいよ“操糸”の工程となり繭から生糸が繰られるのですが、内部が一部見学できる“操糸場(左下写真)”は、創業当初フランス式の操糸器300釜が設置されていて、当時世界最大規模の工場だったそうです。
この建物には「トラス構造」という従来の日本にはなかった工法が用いられており、建物内部には柱のない広い空間が保たれています。
また、採光のために多くの窓ガラスが取り付けられている為、工場内は非常に明るく開放的です。
この工場は昭和62年まで実際に操業していた為、現在残っている機械は昭和40年以降に設置された自動操糸器(右下写真)ですが、建物内にいると創業当時の雰囲気を十分に窺い知ることができます。
今回は駆け足の訪問でしたが、ガイドツアーもあるようですのでまたゆっくり行ってみたいと思います。