服地の世界にはプロやマニアの方々を唸らす“名作”の数々がありますが、中には特に希少なものがあり、市場に滅多に出て来ない為なかなかお目にかかることが出来ません。
今回ご紹介する“EDWIN WOODHOUSE(エドウィン・ウッドハウス)”の“6PLY”もそんな服地の一つで、業界内でも熱烈なファンが多いクオリティーです。
“EDWIN WOODHOUSE”は、春夏の“AIR WOOL(エア・ウール)”、“SUMMER COMFORT(サマー・コンフォート)”を始めとする「強撚糸系」の服地とともに、秋冬の“3PLY"、“4PLY”の「多撚糸系」の服地の生産でもその名を馳せてきました。
通常、服地は経緯(縦横)共に双糸(2PLY・2本撚りの糸)を使うのですが{イタリア服地と春夏服地の多くは緯(横)糸に単糸(1本糸)を使用}、この“3PLY”、“4PLY”
はその名の通り3本撚り・4本撚りの糸を使って織り上げられます。
ザックリ感のある独特のボディーを持ち、美しく仕立て上がるスーツの素晴らしい着心地が高く評価されているこのシリーズの服地は、特にイタリアを始めとするヨーロッパ市場で人気を博してきました。
“ATTOLINI(アットリーニ)”などのイタリア有名ファクトリーのオリジナルスーツでも多く使われてきましたので、ご覧いただいたことのある方も多いと思います。
弊社でも90年代後半にこの2つのクオリティーをオーダー向けで展開しましたが、完売し現在は全く残っておりません。
さて、前置きが長くなりましたが、今回ご紹介する“6PLY”はシリーズ最高峰の6本撚りの糸を使い織り上げられた逸品で、そのウェイトは1mあたり490gmsとかなりヘビー。(秋冬用スーツ地の平均的なウェイトは320gmsです)
今まで日本市場ではオーダー向けの展開は無かったのですが、以前某有名セレクトショップのオリジナルスーツ用にお使いいただいた際に、スーツを製造された有名ファクトリーの社長様から「こんなにアジがあって仕立て映えする服地は見た事がない!」と絶賛していただきました。
今回もあるお取引先様のプレタポルテ(既製服)用としてお引き合いをいただいた為のサンプル入荷で、今後もオーダー用として弊社で展開する予定はないのですが、最近またお問い合わせが多くなってきている為、現在このシリーズの生産・在庫状況を現地に確認しています。
バンチ展開ではなく契約販売を予定しておりますが、状況が整いましたらお取引先様にはお知らせいたします。