ブリュッセルの話題に戻らせていただきます。
世界最大級のウールンマーチャントとして知られる“スキャバル”ですが、近年はプレタポルテやアクセサリー、そしてカジュアルウェアなどを含めたトータルファッションの充実に力を入れています。
特にプレタポルテのスーツは(パターンオーダーも含め)、ドイツに自社工場を持つほどのこだわりようです。
また、イタリアにはハンドメイドスーツのアトリエも構えています。
“エルメネジルド・ゼニア”のように有力ミルやマーチャントがトータルファッションブランドへの道を目指すのは近年の傾向と言えるようですが、従来の服地ビジネスにもファッション性やトレンド性のフィードバックが期待できることを考えると、決して悪くないことだと思います。
さて、スキャバル本社内のショールームでは、一足早く来年の春夏コレクションの展示が始まっていました。
小物などを多く使用した凝ったディスプレイには毎回関心させられるのですが、このような常設スペースが自社内にあること自体羨ましい限りです。
S/S2008コレクションでは、ライトグレーのスーツに淡色のタイを合わせるコーディネイトが多く見られ、リネンなどの非ウール系素材にもスポットが当てられていました。
草原などにも合うような、軽やかな着こなしが新鮮ですね。