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LONDON⑨ HACKETT

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久しぶりに海外出張シリーズに戻らせていただきます。
英国を代表するセレクトショップの一つ“HACKETT(ハケット)”は、現在英国以外でも欧州8カ国で展開されており、爽やかなトラッドテイストを持つクロージングの数々が人気を集めています。
創業者であるジェレミー・ハケットは、センスの良さとセレクトの確かさで知られる英国クロージング界の有名人ですが、日本のファッション雑誌にもよく登場していますのでご存知の方も多いかと思います。
同氏は、英国の全国紙“THE INDEPENDENT”の日曜版に掲載されていたコラムをまとめた“MR. CLASSIC”などの著作もあり、文化人としての側面も持っています。
写真はリージェント・ストリートのショップで、出張時は2月下旬だった為、まだA/Wシーズンのウィンドーディスプレーでした。
“COLONIAL(コロニアル)”は、ファッション界でここ数シーズン重要なキーワードになっていますが、そこは本家本元の英国ブランド。
古き良き植民地時代の香りが漂う、冒険心をくすぐるウェアの数々が見事にディスプレーされていました。

LONDON⑧ CONDUIT STREET

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リージェント・ストリートとニューボンド・ストリートを結び、サヴィル・ロウにも接しているのがこの通り、コンデュイット・ストリートです。
ほんの数百メートルの短い通りですが、最近は私達もよく知っているブランド、ショップが進出してきています。
まずは、125年を超える歴史を誇り、英国を代表するレザーブランド“CONNOLLY(コノリー・左写真)”です。
高品質レザーで有名なこのブランドは、“ROLLS-ROYCE”、“ASTON MARTIN”、“JAGUAR”などの高級車のシート用レザーに採用され、その名を馳せてきました。
現在はファッション分野に積極的に進出しており、このショップではレザーグッズ以外にもメンズ、レディースのトータルコレクションが展開されています。
そして、右写真は近年人気の高いバイクウェアブランド“BELSTAFF(ベルスタッフ)”。
もともとは、1924年創業の英国のアウトドアブランドだったのですが、数年前に経営難からイタリアの企業に営業権が譲渡されました。
現在は、以前1ジャンルに過ぎなかったバイクウェアに特化し、もともとの高い機能性に洗練されたデザインが付加されたウェアの数々が、バイク用としてだけではなく、感度の高い人々のシティーウェアとしても人気を集めています。

LONDON⑦ PUBLIC TRANSPORTATION

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久しぶりになってしまいましたが、ロンドンの話題に戻らせていただきます。
今回は、趣向を変えた“PUBLIC TRANSPORTATION(公共交通機関)”というテーマで、特に運賃について書かせていただきます。
今も100年前と同じクラシックで美しい街並みを誇るロンドンですが、実は市民を取り巻く環境はこの10年でも随分変わってきています。
その筆頭とも言える現象が物価の高騰です。
バブルとも囁かれる好調な経済の影響で、地価と共に物価も全体的に上がってきており、ロンドン市民の大切な足であるバスや地下鉄などの運賃もここ数年で段階的に値上げされてきました。
特にオリンピックの開催決定後は、大幅な値上げがおこなわれました。
現在の市内のバス運賃は2.00ポンド(約478円)。
名物だった扉が無く、好きなところで降りることの出来た旧タイプのバスは数年前に完全に姿を消し、今は新型の2階立てバス(左写真)がロンドンの新しい顔となっています。
最近新方式が導入され、乗車前に券売機(右写真)でチケットを買うシステムになり、車内で支払うことはできません。
また、特に酷いのがTUBE(チューブ)の愛称で親しまれている地下鉄の運賃で、現在の初乗り運賃はなんと4.00ポンド(約956円)!!
一駅乗るだけでこの値段です。
現在はJRのSuica(スイカ)に似たOyster(オイスター)というカードがありこれを使うと安くなったり、2回乗る料金で1日乗り放題券が買えたりと、安く乗る手段もあります。
しかし、旅行者が気軽に乗るには程遠い環境で、私も毎回頑張って長距離を歩いて移動しています。

LONDON⑤ PICCADILLY STREET

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ピカデリー・サーカスから、ハイドパークコーナーまでの1キロ程の距離を結ぶピカデリー・ストリートは、ロンドンを代表する通りの一つで、その道中には有名な高級ホテル“RITZ”や日本大使館も軒を連ねています。
そしてこの通りでその存在感を誇るのが、300年近い歴史を持つ食品の総合デパート“FORTNUM & MASON”(左写真)です。
日本人にとっては、こちらの紅茶が“英国みやげの定番”としてあまりにも有名ですが、“FORTNUM & MASON”の取り扱い商品は食料品全般に及び、その豊富な品揃えは圧巻の一言です。
そのクオリティーに高さには定評があり、ロイヤルワラント(王室御用達認可証)を保持する王室御用達デパートとして、王室にも高級食材を納めています。
ちなみに“FORTNUM & MASON”の裏は前回ご紹介したジャーミン・ストリートに面しており、“ALFRED DUNHILL”は路地を挟んだ真横になります。
今回のニュースは、“FORTNUM & MASON”の並びのピカデリー・ストリート沿いにオープンした“THE HIGHLANDS”(右写真)です。
このショップはリージェント・ストリート沿いにあるショップの支店なのですが、カントリーウェア(主にアウター)の専門店として知られており、有名な英国製オイルコーテッド・ジャケット“BARBOUR"(バーブァー)の充実した品揃えで有名です。
レディース、子供用までのラインナップや、日本ではあまり見かけないキルティングウェアの数々など、そのコレクションの幅の広さには驚かされます。
本店の方はインテリアもあまり垢抜けないのですが、こちらの新しいショップはかなりモダンになっていますので、“BARBOUR"がお好きな方は是非一度行ってみて下さい。

LONDON④ JERMYN STREET

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サヴィル・ロウの話題の次は、もう一つの紳士達の聖地(紳士用品) ジャーミン・ストリートのショップについて書かせていただきます。
まずは、あまりにも有名な英国ブランド“ALFRED DUNHILL”(左写真)。
最近はブランドの原点であるモータースポーツ用品に関する打ち出しを強くしているこのブランドですが、フラッグシップショップであるこちらのショップのウィンドーには、“LE MANS(ル・マン)”に出場した60年代製の“TVR”がディスプレーされていて、道行く人達から注目を集めていました。
“ALFRED DUNHILL”の通りを挟んで斜め前には、以前にもご紹介したシャツの名門“TURNBULL & ASSER”(右写真)があります。
歴代のジェームス・ボンドから愛用されてきた名門ブランドですが、近年の紳士服の英国回帰の流れの中で、日本人の体形に合わせた別注モデルを取り扱う百貨店などが日本にも見られるようになり、以前に比べると格段に入手し易くなりました。
日本の紳士(ジェントルマン)達にとっては、喜ばしい限りですね。

LONDON③ SAVILE ROW -Ⅲ-

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厳密にはサヴィル・ロウではなく、直角に接している通り“BURLINGTON GARDENS”に居を構えるのが、英国最古のテーラーとしてその名を知られている“EDE & RAVENSCROFT(イード&レイヴェンスクロフト・左写真)”です。
王族の戴冠式用のローブのスペシャリストとして1689年に創業された同社は、以来12人の国王の戴冠式用のローブを製作してきました。
現在も全て(4つ)のロイヤルワラント(王室御用達認可証)を保持する同社は、まさしく名門中の名門といえる格式を誇ります。
ちなみに、全てのロイヤルワラントを与えられている企業は8社しか存在せず、“EDE & RAVENSCROFT”はその輝かしい一社となります。
ローブの他にも、裁判官の衣装、大学の式服なども手がけていますが、勿論通常のスーツのオーダーも可能です。
同店のすぐ近くには、以前にご紹介したことがある世界最古のショッピングアーケード“BURLINGTON ARCADE”の入り口(右写真・写真はPICCADILLY ST.側)があります。
どちらもサヴィル・ロウ一番地の“GIEVES & HAWKES”からは石を投げれば当たる距離ですので、ロンドン散策の折には是非覗いて見て下さい。

LONDON② SAVILE ROW -Ⅱ-

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本年の1月31日に当ブログで紹介させていただいた“THE LONDON CUT / SAVILE ROW BESPOKE TAILORING”は、サヴィル・ロウの老舗・新進両テーラーが団結して初めて実現した、画期的な展示会でした。
近年は、サヴィル・ロウでも“OZWARD BOATEING”、“RICHARD ANDERSON”、そして“SPENCER HART”などの新時代を象徴する若手テーラー達が台頭してきていますが、やはり輝かしい歴史と伝統を誇る老舗テーラー達を抜きにしてサヴィル・ロウを語る事はできません。
その中でも、15番地の“HENRY POOLE”(左写真)と11番地の“HUNTSMAN”(右写真)は、前回ご紹介した1番地の“GIEVES & HAWKES”と並んで、サヴィル・ロウを代表する名門テーラーとしてその名を知られています。
昨年に創業200周年を迎えた“HENRY POOLE”では、記念企画の一つとしてフォーマルウェアのディスプレイが行われていました。
その一着一着の気品と格式を感じさせる佇まいは、世界中のロイヤルファミリーや、VIPに愛されてきた“HENRY POOLE”ならではと言えるものでした。

LONDON① SAVILE ROW -Ⅰ-

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海外出張シリーズに戻らせていただきます。
今回からは、ロンドンで見つけたトピックスをお届けいたします。
毎回、ロンドンに着くとまず足を向ける場所の一つが、スーツの聖地 サヴィル・ロウです。
一番地を本拠とする“GIEVES & HAWKES”は、サヴィル・ロウを代表する老舗テーラーの一つでありながら、ビスポークスーツのみに頼らない斬新なビジネス手法と、高いファッション性でそのフィールドを拡げ、世界中の高級紳士服市場でその名を轟かせています。
現在は、ブランドビジネスから転進した、才気溢れるマネージング・ディレクターであるマーク・ヘンダーソン氏が指揮を執り、ますますアクティブな姿勢を見せています。
そんな“GIEVES & HAWKES”の今季のテーマは、“FATHER & SON”。
その名のとおり、父と子が共に愉しめる着こなしの提案がされています。
若い層からの人気が高い新進気鋭のテーラーも一部いますが、全体で見れば今でも昔からの上客に頼っており、もっと若い顧客を発掘して行きたいサヴィル・ロウの老舗テーラー達。
既存顧客のJr.達の取り込みは今後の重要課題と言え、個人的には非常にタイムリーでよい打ち出しだと思いました。
日本でも同様の問題が起きていますので、是非参考にさせて頂きたいものです。

PARIS② PEUGEOT AVENUE PARIS

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本日は、社内催事の為出勤しております。
前々回に引き続き、パリの話題をお届けしたいと思います。
私がパリに行く度に必ず立ち寄る場所の一つが、シャンゼリゼ通り136番地の“PEUGEOT AVENUE PARIS”(左写真)です。
ここは、その名の通り仏車メーカー“PEUGEOT”のショールームなのですが、車の展示は3台程(現行車、クラシックカー、コンセプトカーなど)で、奥にはグッズコーナーがあり様々なモノが販売されています。
ミニカーや、Tシャツなどの“PEUGEOT”関連のモノから、洒落たキッチン用品や装飾品など、直接“PEUGEOT”と関係無いモノまで、バラエティー豊かにセレクトされており、決して大きくないコーナーなのですが、見ているだけでも楽しめます。
私はポップでかわいらしいココのTシャツが大好きで、新しいデザインを見つける度に、思わず買ってしまいます。
また、キーホルダー付のボールペンなどの手軽なモノもあり、ちょっとしたおみやげにも最適です。
車の展示には毎回テーマが決められていて、今回はテーマカラーのグリーンに合わせた、洒落た展示がされていました(右写真)。
シャンゼリゼ通りには、他にも“MERCEDES”や“RENAULT”のショールームがあるのですが、そちらは従来ながらの“車の展示”に重きを置いたスタイルで、グッズなどはあまり充実していません。
“CITROEN”のショールームは、以前はレストランと同居した面白いスタイルでしたが、昨年はリニューアル工事をしていて、残念ながら今回は完成していたかどうかを見る機会がありませんでした。
以前に張られていた完成予想図によれば、かなりスケールアップしているようですので、次回は是非チェックしてみたいと思います。

PARIS① CHAMPS ELYSEES / OPERA

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既に紹介させていただいたミラノ、マドリッド、バルセロナに続けて訪れた、パリについて数回に分けて書かせていただきたいと思います。
毎回パリでの目的は、MILANO UNICA(ミラノ・ウニカ)同様に年2回開催される服地見本市、PREMIERE VISION(プルミエール・ヴィジョン)の訪問です。
以前は出張はパリから始まり、最初の週末もパリで過ごしていたのですが、近年ミラノに先に行くようになりスケジュールが変わってしまい、パリで週末を過ごす事は無くなってしまいました。
私にとってパリは何故か特別な場所で、英国の学生時代の4年半で15回近く、仕事で行きはじめてから更に10回以上行っているのですが、未だに飽きることがありません。
美しい街並みから、汚いメトロまで、様々なものに独特な雰囲気を感じてしまうのは、エトランゼ(異邦人)ゆえのパリ崇拝なのかも知れません。。。
住むとしたらロンドンの方が快適そうですが(物価を除けば!!)、私にとってパリはそれでも永遠に魅力的な街なのです。
さて、毎回パリに着くとお約束のように行ってしまうのが、CHAMPS ELESSES(シャンゼリゼ・左上写真)です。
ARC DE TRIOMPHE(凱旋門・右上写真)から、CONCORDE(コンコルド広場)までの2,30分の距離をゆっくり歩くと、「あ~、パリだ~~!」と実感できるのです。
一人で食事をする時は、OPERA(オペラ・左下写真)周辺の日本人街まで足を伸ばします。
このエリアには数々の日本食レストランだけでなく、食材店、本屋など、様々な日本人向けの店が点在しています。
私は学生時代から、リーズナブルな価格でおいしい日本食が食べられる名店、ひぐま(右下写真)に欠かさず行くのですが、近年のパリの日本食ブームの影響はこのエリアにも来ていて、平日でもこのように行列が出来ています。
行列には、日本人(及びその他の極東アジア人)よりも圧倒的にフランス人の姿が多く、日本人街の様子も以前とは大分変わってきました。
パリでは日本食ブームにあやかった“なんちゃって日本食レストラン”が増えており、昨年より日本政府がパリの日本食レストランの認証制度を始めた事を、日本のニュースで見た方も多いと思います。
そんな中で、フランス人が日本人御用達のレストランで行列してまでも食べたがるのは、ファッションだけでなく食への探究心も強いフランス人特有の“こだわり”なのかも知れません。