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SAVILE ROW② HENRY POOLE

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ロンドンの話題に戻らせていただきます。
以前の“SAVILE ROW①”でも書かせていただいたように、サヴィル・ロウを取り巻く環境も少しずつ変化していますが、今日も多くの老舗テーラーが軒を連ねていることは本当に素晴らしい事で、紳士服の聖地は今も健在と言えます。
サヴィル・ロウの老舗と新進テーラー達が初めて団結し、本年1月にフィレンツェで開催された“PITTI UOMO(ピッティー・ウォモ)”に招聘されて行った特別展“The LONDON CUT/ Savile Row Bespoke”の成功にも見られるように、大量消費時代へのアンチテーゼとしての要素もあり、「男のロマン」が詰まったビスポークスーツへの注目度は高まってきており、ここにきて老舗テーラー達もアクティブな動きを見せてきています。
老舗中の老舗と言われる名門“HENRY POOLE”もその一つで、毎シーズン様々なプロモーションを打ち、ディスプレーでも紹介しています。
今期は、名相ウィンストン・チャーチルが「初めてのビスポークスーツ」として同店で注文した、チョークストライプのフランネルスーツが復刻されディスプレーされていました。
スーツには勿論ボウタイが合わせられていましたが、これだけでもチャーチルの雰囲気が出ていますよね?
この様なスタイルを着こなし、シガーが似合うような大人の男に、私は憧れてしまいます。

SAVILE ROW①

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日曜の夕方にヨーク発の特急に乗り、ロンドンへ向かいました。
日本へのフライトは翌日の夜だったので、ロンドンで1泊し月曜日は短時間ながら散策することができました。
ロンドンではまだセールが続いているショップが多く、サヴィル・ロウでも1番地の“GIEVES & HAWKES”がファイナルセール中でした(左写真)。
ただ、同じサヴィル・ロウでも他の老舗の多くはプレタポルテを扱ってない為、セールはありません。
前回行ったときにはまだ工事中だった、“GIEVES & HAWKES”のお向かいの“ABERCROMBIE & FITCH(通称:アバクロ)”がもうオープンしていました。(注:角地で入り口がもう一方の通りに面しているため、住所はバーリントン・ガーデンズ7番地になります)
右写真がエントランスの写真ですが、大きな看板も無く、元の建物の重厚感を活かしたシックな外観で正直予想外でした。
しかし、写真では分かりにくいですが、入り口の奥にはムキムキな美男子モデルが上半身裸で立っており、さながら「生きたマネキン」と言った感じでした。
発想は面白いですが、ショップの中からは音楽が大音量で聞こえ
洋服屋というよりはクラブといった印象で、同店の袋を持ったカジュアルな客同様、サヴィル・ロウ周辺の落ち着いた雰囲気に確実に影響を与えていました。

HARLOW CARR

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挙式の翌日の日曜も、気持ちのよい一日でした。
夕方にロンドンへ移動する予定になっていましたが、朝にエドウィン・ウッドハウスのもう一人の4代目(従兄弟) ウィリアム・ゴント氏がホテルまで迎えに来てくれ、既にチェックアウトしていた為ロビーで1時間程かけて仕事関係のミーティングをしました。
その後、氏の家族が一足早く行って待ってくれていたティーサロンでランチを取る為に、町の郊外へと移動しました。
このティーサロンは先日このブログでも紹介させていただいた、ハロゲートを代表し全国的に有名な“Bettys(ベティーズ)”の支店なのですが、“Royal Horticultural Society(王立園芸協会)”が運営する“Harlow Carr(ハーロウ・カー)”という大きな庭園に隣接しています。
まだ新しく、広々として開放的なこのティーサロンは、休日ということもあり多くの家族連れで賑わっていました(左上写真)。
美味しいランチの後は、学生時代からのお気に入りのアールグレイをデザートと共に味わい大満足です。
その後、氏の家族と共に庭園内を散策しましたが、花と緑が溢れる美しい風景に魅了されました(右上写真)。
テーマ別のガーデニングコーナーなどもあるのですが、もし自分の家を建ることが出来たら、是非参考にしたくなってしまうような素敵なミニガーデンが多数ありました(下写真)。
慌しかった今回の旅の中で、唯一ゆったりと寛ぐことができた日曜の午後でした。

WEDDING & RECEPTION④

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ディナーが一段落するとパーティーはだんだん盛り上がっていき、各テーブル対抗のゲームや歌合戦などではかなりヒートアップしました(左上写真)。
そして会場の雰囲気がかなり和んだところで、新婦の父、新郎、新郎の友人代表といった順序でスピーチがありました(新郎挨拶・右上写真)。
皆着席して神妙な面持ちで始りましたが、やはりユーモアの国・英国だけあって、皆ウィットに富んだ楽しい挨拶の数々で、感動あり笑いありと盛り上がったスピーチタイムでした。
そして、宴も中盤に差し掛かると新郎・新婦のデュエットを合図に生バンドでのダンスタイムが始り(左下写真)、会場中の老若男女が参加しての舞踏会となりました(右下写真)。
私も数人の女性からダンスに誘われたのですが、社交ダンスの経験が無い為お断りしていましたが、最後には特に熱心に誘ってくれたムッチリ系(笑)ヨークシャー美人に踊り方を手取り足取り教わりながら、飛び入り参加してきました。
勿論これは別に私がモテた訳ではなく、遠い国からの出席者に対する紳士・淑女の国一流のホスピタリティーがあってのことで、お陰で私も思いがけず英国での初ダンスを経験することができました。
ダンスはその後24時頃まで続いたそうですが、私は長旅の疲れもあった為その1時間ほど前に会場を後にしました。
私が11歳の頃から交友があり、現在も老舗ミル、マーチャントとして取引を続けているジョン・ゴント氏の、今回の挙式&レセプションに招かれた事は大変に光栄なことでしたが、同時に様々な新しい出会いあり、21年ぶりの再会ありの良き思い出となりました。

WEDDING & RECEPTION③

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ここでまた、去る7月28日(土)に行われた老舗ミル エドウィン・ウッドハウスの4代目(従兄弟同士の共同経営者の一人)、ジョン・ゴント氏の挙式&パーティーの話題に戻らせていただきます。
前々回にはパーティーのスタートまで書かせていただきましたが、今回は新郎及び私の衣装(モーニング)を紹介させていただきます。
この日のドレスコードは参列者もモーニング着用という格式の高いものだった為、私が日本から行く時には衣装がシワにならないよう折らずに機内持込にするなど気を遣いましたが、そこは打ち込みのいいウッドハウス服地!長旅の後でも全く問題ありませんでした。
写真は乾杯が終わり、賑やかなディナーが続いている時に撮ったスナップです。
実は新郎のモーニングコート、ウェストコート(ヴェスト)、トラウザースは、日本のあるテーラーさんに仕立てていただいた日本製なのですが(仕上がりもフィッティングもバッチリで、本人も大変喜んでいました!)、服地は勿論全てウッドハウス製です。
モーニングコートは、エドウィン・ウッドハウスの150周年記念クオリティーの“CELEBRATION(セレブレーション・SUPER150'S & CASHMERE)"を使用し、ウェストコートとトラウザースは同社のフォーマルウェア用SUPER120'S服地からチョイスしました。
そして、私のモーニングコートとウェストコートは同じくウッドハウスのフォーマルウェア用SUPER120'Sを使用していますが、トラウザースはあえてスーツ用のSUPER120'S(THE CAMBRIDGE COLLECTIONより)の千鳥格子を選び、英国のクラシックなフォーマルウェアをイメージしたコーディネイトをしてみました。
一見選択の幅が狭そうなフォーマルウェアですが、この日の出席者の着こなしを見ていると、英国人は決められたルールを守りつつも、個性を演出することが上手な事を改めて感じさせられました。
折りしも来る2007A/Wシーズンには、ウッドハウスから新しいフォーマルウェアのコレクション(バンチ)“THE KNIGHT LIFE COLLECTION(ザ・ナイトライフ・コレクション)”が登場しますので、タキシードやモーニングなどのフォーマルウェアを誂えようとお考えの方は、是非お楽しみにお待ち下さい。
次回は、パーティーのクライマックスからエンディングまでをお伝えしたいと思います。

WEDDING & RECEPTION②

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式が執り行われた教会から徒歩で到着した一行は、まずはウェルカムシャンパンをガーデンで愉しみます(左上写真)。
気持ちのよい天気に恵まれたこの日は気温もちょうどよく、屋外の歓談にも花が咲きます。
右上写真が本邸ですが、同じ敷地内でもこちらはいつもと変らず静かに佇んでいます。この本邸は、私が21年前に初めて英国を訪れて約10日間ホームステイした時から全く変っていません。
そして、先日このブログで触れさせていただきましたが、この21年前の滞在の時にもう1軒10日程お世話になったのが、オーダー業界の方なら一度は聞いた事があると思われるかつての有力ミル(織物工場) JOHN PEPPER(ジョン・ペッパー)社長のジョン・ペッパー氏宅。
同氏(左下写真・左)はこのあと事業を売却し現在は悠々自適の生活を送っている為、私はこの21年間再会の機会がなかったのですが、偶然にも氏の次男のジョシュア(同・右)が新郎と幼馴染で大学も一緒。2人の兄同士も同級生だったこともあり、両家は長年家族ぐるみの付き合いをしてきたそうです。
その為、この日は奥様(同・中)を含めた3人で招かれており、私は21年振りの再会を果たすことができました。当時、私は11歳。ジョシュアは私と一緒にサッカーをしたことを覚えていてくれました。
海を越えた21年振りの再会というのはなかなか無いことだと思いますが、本当に嬉しい出来事でした。
さて、乾杯でパーティーが始まるとまずはディナータイムです。
メインディッシュは英国の伝統料理の“ローストビーフ”なのですが、かの国では“ローストビーフ”を切り分けるのは“男の仕事”と決まっている為、新郎から事前に指名された男性の席には帽子とエプロンが用意されていて、テーブルの他の方の為にサーブするという“栄誉”が与えられます。
紳士達がモーニングを脱いで肉を切り分ける姿(右下写真)は、非常に英国らしいユーモアのある光景でした。
~~続く~~

WEDDING & RECEPTION①

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7月28日土曜日。いよいよ結婚式当日です。
天気は快晴で、絶好のウェディング日和でした。
ハロゲート市内から車で15分程の距離にある村、BIRSTWITH(バーストウィズ)に新郎の実家があり、式はこの村の丘の中腹にあるST. JAMES CHURCH(セント・ジェームス教会)で14:30に始まりました。
式には着飾った多くの紳士淑女が集まっており、華やかなムードの中セレモニーがスタート。
美しい花嫁が入場した時には、静かなどよめきが起こりました。
式の進行自体は日本のカトリック式結婚式とそれ程変りませんが(英国国教会はプロテスタントだからか、賛美歌は聴いたことのないものばかりでしたが...)、やはり神聖な宗教行事の為、式の最中の写真撮影は禁止でした。
左上の写真はセレモニーが終わり、新たな夫婦として退場する新郎・新婦。
右上写真は、参列者からフラワーシャワーで祝福されているところです。二人とも本当に幸せそうな表情をしています。
その後、新郎・新婦と参列者は徒歩10分程の新郎の実家 THE MOSS(ザ・モス)に移動。
以前に書かせていただいたように、こちらは広大な敷地を持つ大邸宅です。
左下は、敷地内からの風景。緑溢れる美しい環境がお分かりいただけると思います。
右下写真は、今回のレセプションの為に敷地内に設営された大テントです。
このテントは、150名近くの出席者が着席で食事ができ、別に生バンドでダンスを愉しむスペースを持つほどの大きさを誇ります。
厨房機能を持つトラックや、普通のレストランにあっても遜色のないような、清潔で広い男女用トイレが組み込まれたトラックも見た目には分からないように接続されており、天井も高い為中にいるとあまりテントの中にいるような気がしません。
このスケールの大きさには圧倒されてしまいました。
レセプションの模様は、後日お届けしたいと思います。

HARROGATE

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今は先程ヨークを発ったロンドン行き特急の車内で、時計は間もなく18時を指そうとしています。こちらはまだ日曜日です。
今晩はロンドンに泊まり、明日の夜のフライトで帰国の途に就きます。
さて、この2日間は天気にも恵まれましたが、昨日の結婚式は非常に賑やかで楽しいものでした。
昨日の様子は帰国後にお伝えしたいと思いますが、まずは今回2日間を過ごしたハロゲートについて書かせていただきたいと思います。
ヨークシャー最大の都市リーズと、有名な観光地である古都ヨークとをちょうど3角形で結ぶ位置にあるハロゲートは、北イングランドで最も豊かで美しい町として知られています。
私が小学校5年生の春休みに初めてホームステイで滞在したのがこの町で、その時は今回の結婚式の新郎ジョン・ゴント氏の実家に10日間程お世話になりました。あとの10日間は別の家にお世話になったのですが、こちらの家の方々とは昨日の結婚式で21年振りに再会する事になるので、後日書かせていただきたいと思います。
そんな訳で、ハロゲートは私にとって英国で第一歩を踏み出した大切な場所なのです。
左上写真は緑が溢れる町の風景、右上写真は今回宿泊した“THE WHITE HART HOTEL”です。
このホテルは町の中心にあり、有名なティーサロン“BETTYS(ベティーズ・下写真)へも徒歩3分程の抜群のロケーションを誇ります。
昨日14:30から始まる結婚式の前に、ランチを取ろうと訪れたのですが、列が店外まで伸びる様子を目にしてあきらめました。
しかし、本日のランチにジョン・ゴント氏の従兄弟でもう一人の共同経営者 ウィリアム・ゴント氏が、ご家族と共に美しい植物園に隣接する支店に連れて行ってくれました。
この様子も後日お伝えしたいと思います。

LONDON-YORK-HARROGATE

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3時間半程前にロンドンに到着しました。
現在の英国時間(GMT)は19:20ですが、18:00にロンドンのキングス・クロス駅を発った、スコットランドのグラスゴー行き特急に揺られています。
いつもの車内の光景ですが、せっかく無線LANが使えるので早速アップさせていただきます。
約1時間後にヨークシャーの古都ヨークで下車し、ローカル線で今日の目的地であるハロゲートに向かいます。
ヨークには学生時代に2年間住んでいたのですが、ハロゲートに有名なティーサロンがあるので、ドライブがてらよく行ったものでした。
ハロゲートへの到着予定時間は20:43なので、日本を発ってから17時間後にようやく到着ということになります。
これで明日がもう結婚式なので、今回はなかなかハードな行程です。
来週の火曜日に帰国予定なのですが、翌日の水曜日に業界関係の勉強会で講師をさせていただくことになっているので、この移動時間を利用して資料作りに勤しんでいます。

OLD POLICE STATION (LEEDS)

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いよいよ海外出張シリーズ(2007年2月分)も最後となりました。
エドウィン・ウッドハウスは1857年にハダスフィールドで創業されましたが、現在はヨークシャーの州都リーズを本拠地としています。
リーズは私が4年半に亘る留学生活の第一歩を踏み出した思い出の場所で、約1年間をこの地で過ごしました。
前回も書かせていただいたエドウィン・ウッドハウス4代目のジョン・ゴント氏も、現在フィアンセと共にリーズ市内に住んでおり、この日は自宅近くに新しくオープンしたレストランに連れて行ってくれました。
“OLD POLICE STATION(左写真)”は、その名の通り以前警察署だった建物をそのまま利用したレストランで、モダンブリティッシュテイストのお洒落で美味しい料理の数々が評判だそうです。
私達が食事をした場所は、なんと元監獄だった場所で、壁には落書きだらけだった当時の壁の写真が掛けてあり、何とも言えないリアル感があります。
美味しい食事を楽しみながら「なんか前に来た事がある気がするな~」と思っていたのですが、色々話を聞いてみると私がリーズ時代にシートベルト違反で捕まった時、後日出頭させられたのがこの警察署だった事が判明!!
思わぬ巡り合わせに懐かしく嬉しかったのですが、やはり警察にはあまりお世話になりたくありませんよね?