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出張の話題に戻らせていただきます。
英国でも「ビスポークスーツ」への関心が高まる中、サヴィル・ロウの老舗テーラーにも新しい時代への熱気が感じられるようになってきました。
その兆しは各テーラーのウィンドーディスプレーにも見る事ができ、今までのスーツを飾るだけの単調なものから、遊び心やストーリー性のあるディスプレーが増えてきています。
左写真は、各国の国家元首などのスーツも仕立てる名門中の名門“HENRY POOLE(ヘンリー・プール)”のウィンドーですが、現在は英国を代表する高級スポーツカー“ASTON MARTIN(アストン・マーチン)”とコラボレートしたディスプレーが目を引きます。
高級車とビスポークスーツに共通する、「プレステージ性」と「クラフトマンシップ」にスポットが当てられたアイディア作です。
右写真は、創業1821年の老舗でカントリー系のクロージングを得意とする“NORTON & SONS(ノートン&サンズ)のディスプレーなのですが、オーセンティックな乗馬服に同色のポップなTシャツが合わせられた斬新なイメージなものです。
英国の「伝統」の影には絶え間ない「革新」があると言われますが、サヴィル・ロウにもしっかりと新しい風が吹き込まれているようです。
#写真が見にくい場合は、クリックすると拡大してご覧いただけます。

RICHARD JAMES BESPOKE

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前回の出張シリーズでもご紹介しましたが、サヴィル・ロウからボンド・ストリートに抜けるクリフォードストリートの19番地に、サヴィル・ロウを代表する新進気鋭のテーラーとして有名な“RICHARD JAMES(リチャード・ジェームス)”の初のビスポークスーツ専門館、“RICHARD JAMES BESPOKE(リチャード・ジェームス ビスポーク)”が今春オープンしました。
前回は建物の前に大きなトラックが停まっていた為、ショップの外観の写真を撮ることができませんでしたが、今回はしっかりと写真に収めてきました。
洗練された邸宅のリビングのような、上質ながらリラックスできる空間が作り出されていて、モダンブリティッシュの世界を具現化した素晴らしいショップになっています。
この年代の建物(ビクトリアン)には私もヨークにいた時に一時期住んでいた事がありましたが(勿論こんなに綺麗な建物ではなく、ステュディオに改装されたその中の一室でしたが...)、シャープで凛とした独特の雰囲気に今でも憧れを持っています。
さて、大学では写真とグラフィックアートを専攻し、ロンドンを代表するセレクトショップ“BROWNS(ブラウンズ)”で10年間バイヤーを務めた後にサヴィル・ロウに進出したという異色の経歴を持つリチャード・ジェームス氏ですが、「色の魔術師」の異名を持つように、ビビッドな色使いをトラディショナルウェアであるスーツの着こなしに持ち込んだ功績が高く評価されています。

PEUGEOT AVENUE

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以前にも紹介させていただいた、シャンゼリゼ大通り136番地の“PEUGEOT AVENUE(プジョー・アベニュー=左写真)”。
こちらは仏車メーカー“プジョー”のショールームなのですが、コンセプトカーの展示や関連グッズの販売でいつも多くの観光客を集めています。
今回展示されていた車のうちの一台は、創業1835年という長い歴史を誇る英国王室御用達の銃砲及び狩猟用品専門店、“HOLLAND & HOLLAND(ホーランド&ホーランド)とのコラボレートカー。
特製の内装を持ち、ボンネットにはベースがレザーの“ライオンマーク”(右写真)が掲げられるなど、エクスクルーシブ感が漂っています。
日本では女性からの人気も高い“プジョー”ですが、仏英合作のなんとも渋いこのコラボレートカーは、やはり男性の方が似合いそうですね。

ARC DE TRIOMPHE

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ブリュッセルの次の目的地パリには、国際特急“THALYS(タリス)”で移動しました。
ブリュッセルとパリは距離が非常に近い為(タリスでの所要時間は約1時間半です)、空路が存在しないのです。
さて、パリはいつものように服地展示会“PREMIERE VISION(プルミエール・ヴィジョン)が主要目的なのですが、この街は私が大好きな場所の一つなので、毎回時間を見つけては散歩を愉しんでいます。
この日(9月18日)も早速ホテルでチェックインを済ますと、メトロで市内中心部へ向かいました。
まずはお決まりの「凱旋門→シャンゼリゼ大通り」のコースを歩こうと、駅(CHARLES DE GAULLE ETOILE)から出て地上へ。
凱旋門の方へと歩いて行くと、何か様子が違うことに気づきました。
交通が遮断されていて、いつもたくさんの車が行き交っている凱旋門の周りや、シャンゼリゼがガラガラの状態になっているのです!(左上写真)
そして、凱旋門の下には軍の儀仗隊が整列し、何かが始まるのを待っています。
しばらくするとシャンゼリゼを年配の方々を中心とした一団が行進してきて(右上写真)、儀仗隊の所へと向かって行きます(左下写真)。
一団の最後尾が凱旋門に到着し儀式が始まると間もなく交通規制が解除され、シャンゼリゼにはもいつもの喧騒が戻りました(右下写真)。
どうも第2次世界大戦の戦没者慰霊の行事か何かが行われていたようなのですが、全ての交通を遮断してのパレードはなかなか壮観な眺めでした。

SCABAL S/S2008 COLLECTION

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ブリュッセルの話題に戻らせていただきます。
世界最大級のウールンマーチャントとして知られる“スキャバル”ですが、近年はプレタポルテやアクセサリー、そしてカジュアルウェアなどを含めたトータルファッションの充実に力を入れています。
特にプレタポルテのスーツは(パターンオーダーも含め)、ドイツに自社工場を持つほどのこだわりようです。
また、イタリアにはハンドメイドスーツのアトリエも構えています。
“エルメネジルド・ゼニア”のように有力ミルやマーチャントがトータルファッションブランドへの道を目指すのは近年の傾向と言えるようですが、従来の服地ビジネスにもファッション性やトレンド性のフィードバックが期待できることを考えると、決して悪くないことだと思います。
さて、スキャバル本社内のショールームでは、一足早く来年の春夏コレクションの展示が始まっていました。
小物などを多く使用した凝ったディスプレイには毎回関心させられるのですが、このような常設スペースが自社内にあること自体羨ましい限りです。
S/S2008コレクションでは、ライトグレーのスーツに淡色のタイを合わせるコーディネイトが多く見られ、リネンなどの非ウール系素材にもスポットが当てられていました。
草原などにも合うような、軽やかな着こなしが新鮮ですね。

BRUSSELS(LA GRAND-PLACE)

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今回のヨーロッパ出張の話題を、これからシリーズでお届けしたいと思います。
第1回目は、最初の目的地のブリュッセルです。
9月に行われるスキャバル本社でのミーティングの為に、毎年一度訪れるこのブリュッセルですが、“EU(欧州連合)”の本部がある事と、“GODIVA(ゴディヴァ)”をはじめとするチョコレートが有名な事以外、皆様もあまりイメージが湧かないのではないでしょうか?
私も出張で行くようになるまで行ったことが無かったのですが、とても一国の首都とは思えないようなこじんまりとした都市です。
基本的な街並みはフランスの地方都市に近いような気がするのですが、このブリュッセルには「ヨーロッパで一番美しい広場」と称される場所があり、世界中から観光客を集めています。
それが、世界遺産にも登録されている“グラン・プラス(LA GRAND-PLACE・左上写真)”です。
17世紀末のギルド・ハウス(各種職業組合の集会所)や、15世紀に建てられた市庁舎(今も現役です!)などに囲まれた、サッカーコートを一回り小さくした位のこの石畳の広場は今日も完璧なコンディションを保っており、訪れたものを当時にタイムスリップしたように感じさせてくれる程の圧倒的な眺めを誇ります。
右写真は市庁舎の高さ96mの塔で、頂には街の守護聖人“サン・ミッシェル(=聖ミカエル)”の像が立っています。
夜には広場の建物がライトアップされる為、酔い覚ましに幻想的な眺めを愉しむことができます。
私も毎回一度はこの広場を訪れ、ブリュッセルに来た事を実感します。
さて、ブリュッセルでの私の楽しみの一つに“ホテル”があります。
他のヨーロッパの都市では、物価高、円安の影響もあってあまりいいホテルには泊まれないのですが、ブリュッセルではスキャバル本社から徒歩7,8分程で、スキャバルが特別レートで契約してくれている5ッ星ホテル“LE PLAZA(プラザホテル・左下写真)”が常宿になっています。
部屋も広く清潔なのですが、いつも百合のよい香りが漂うゴージャスで広い1Fエントランスホールの雰囲気は格別です。
ホールの横にはクラシックで雰囲気のあるダイニングバー(右下写真)があり、今回初めて他の方と訪れましたが、旅の開放感もありついつい飲みすぎてしまいました...

LAST DAY IN YORKSHIRE(EDWIN WOODHOUSE)

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一昨日に引き続き、今日も“エドウィン・ウッドハウス”を訪問しています。
実質的な仕事は本日で終わり、明日は午後にマンチェスターからロンドンへ飛び、夜のフライトで日本への帰路に着きます。
こちらは今日から急に寒くなり、日中でも10度台前半位の気温でした。
さて、工場内(左上写真)では今日も織機がフル稼働していました。
実際の工場内は織機がたてる音がすごく、訪問者用の耳栓が常備されている程の騒音です。
右上の写真は、いつもミーティングに使用しているサンプルルームです。
大きな窓とサンルーフがあり、自然光でサンプルを見ることが出来ます。
写真では暗く写ってしまいましたが、この部屋で各クオリティーの膨大な数の色柄から日本に向くものをセレクトしていきます。
試作を含めて何しろサンプルの数が多いので、かなり時間のかかる作業です。
右下の写真ですが、工場の片隅に保管されているビンテージカー“JAGUAR XJ-6 Sr.1(4.2L 1971年式)”を発見!
この車の由来については、後日詳しく書かせていただきたいと思います

PARIS

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今はパリで開催中の服地展示会、“PREMIERE VISION(プルミール・ヴィジョン)”の会場にいます。
昨日ブリュッセルからパリに陸路で入りました。
今までのところ旅は順調で…と言いたいところですが、日本からロンドン経由でブリュッセルに入った際、預けたスーツケースがロンドンで止まっていた為着いておらず、翌日の午後まで届かないというトラブルに見舞われました。
着替えなど全くなかった為、翌日のスキャバルでのミーティングはTシャツとジーンズでという有様で(でも、スキャバルの方々は事情が事情だけに笑って許してくれましたが...)、かなり恥ずかしい思いをしました。
幸いスーツケースは無事戻ってきて、それ以降は順調な旅が続いています。
さて、パリではいつも宿泊しているホテル(HOTEL CONCORDE LAFAYETTE)のすぐ横から出ている会場へのシャトルバスを利用するのですが、今回宿泊しているホテルはこの場所から徒歩10分程の場所なので、朝は歩いてバス停へと向かいました。
少し肌寒いものの気持ちがいい朝で、道路の緑地帯のような公園を通って一時の散歩を楽しみました(左上写真)。
歩いていると道路上に停まっている大量の自転車を発見(右上写真)!
日本のニュースでもやっていましたが、パリ市内で今年から本格的に始まった乗り捨て型レンタサイクル“VELIB(ヴェリブ)”です。
使い方は、あらかじめ発行されている“スイカ”のようなチャージができる非接触式カードをかざして自転車を支柱(左下写真)から外し、決められた時間内に市内のあちこちにある同じようなスポットのどこにでも返却できるというシステムのようです。
基本的には環境問題対策のプロジェクトなのですが、街を廻るのに便利そうなので機会があったら試してみたいと思いました。
右下の写真は、今いる“PREMIERE VISION”の会場のものです。
明日の夜には空路で英国のエクセターに入り、その後ロンドン、ヨークシャーの順で旅を続ける予定になっています。
英国からも、旅の模様をお伝え出来ればと思っております。

TOKYO-LONDON-BRUSSELS

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本日から9月の定例出張の為、今成田にいます。
まずNH201便でロンドンに跳び、そこからBA400便で最初の目的地ブリュッセルに向かいます。
ブリュッセルでは、世界的マーチャント“SCABAL(スキャバル)”本社での会合に出席することになっています。
これからのロングフライトは少し憂鬱ですが、やはり成田に来ると一気に海外モードに入りますよね。
機会があれば、また現地からもアップさせていただきます。
では、行って参ります!

NEW SHOPS

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7月末の渡英の話題も今回で最後となりました。
この時は「挙式&パーティーに出席の為」というイレギュラーな出張でしたが、時が経つのは早いもので今週の日曜には“秋の定例出張”に旅立ちます。
さて、今回は新しいショップの話題です。
サヴィル・ロウを代表する新進気鋭のテーラーとして有名な“RICHARD JAMES(リチャード・ジェームス)”は29番地にショップを構え、主にレディーメイド(既製服)とメイド・トゥー・メジャー(パターンオーダー)のフィールドで活躍してきました。
モダンブリティッシュの旗手として益々人気が高まる中、本店の斜め前で(同店はサヴィル・ロウとクリフォード・ストリートの角地)、サヴィル・ロウからボンド・ストリートに抜けるクリフォードストリートの19番地に、ビスポークスーツの専門館となる“RICHARD JAMES BESPOKE(リチャード・ジェームス ビスポーク)”が本年の春にオープンしました(左写真)。
今回は覗く時間が無かったのですが、モダンでクールな広々としたサロンでした。
既製服を始める老舗テーラーは多いのですが、ビスポークを始める新進ブランドはあまり聞かないので、聖地サヴィル・ロウでも嬉しいニュースと言えるのではないでしょうか?
もう一店は、同じクリフォード・ストリートの14番地(ボンド・ストリート寄り)に今年5月にオープンした、クラシコイタリアスーツの王者“KITON(キートン)”の新しいショップです。
ブランド通りのボンド・ストリートに近い為か、レディースを前面に打ち出したソフトな雰囲気の店です。
最近は、スーツブランドがカジュアルウェアやレディースなどに力を入れる例が増えていますが、王者“KITON”も例外ではないようです。