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LAST WORKING DAY

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こちらでの仕事は今日で終わり、明日には長旅を終えて帰国の途に着きます。
今日の午後は“エドウィン・ウッドハウス”で最後の打ち合わせをしています。
以前にお知らせしたように、“エドウィン・ウッドハウス”は経営陣が替わり、製造も外部で行なわれるようになりましたが、オフィスは以前同様に“サニーバンク・ミルズ”内にあり、上の写真を撮ったサンプルルームもそのまま使われています。
前オーナーのゴント家の2人(ウィリアムとジョン)は、この広大なミルとその他多数の不動産を管理するビジネスを始めており、まだオフィスもそのままの為気軽に話しに行くことができます。
昨晩は3人で夕食に出掛け、愉しい時間を過ごしました。
ところで、先週末まではずっと天気は良かったのですが、ヨークシャーに来てからは雨が多く、降ったり止んだりの不安定な天気が続いています。
窓からの風景は雨上がりに撮りました。
気温は日中でも恐らく10度を少し上回る位で、もうこちらでは冬の足音が聞こえてきています。

SUNDAY IN LONDON

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ロンドンでの週末を終え、今はキングス・クロス発、リーズ行きのいつもの特急に揺られています。
WiFi(無線LAN)完備の車内で、久しぶりのログインです。
これからリーズ近郊のホテルに4泊し、木曜には日本への帰路に着きます。
さて、木曜の午後にパリからロンドンに入り、金曜は日本のお取引先のご案内でサヴィル・ロウの名門テーラー(“ハンツマン”と“ギーブス&ホークス”)を訪問しました。
どちらのテーラーでも、サロンから工房までじっくりと見学させていただいたのですが、特に“ギーブス&ホークス”は今までレディーメイドの売り場までしか入った事がなかったので、非常にいい経験になりました。
この時の様子は、後日改めてご紹介させていただきます。
土曜と今日日曜は一人で市内散策をしたのですが、写真は今日のロンドン中心部の様子です。
左写真は高級店が軒を連ねるボンド・ストリート。
日曜日は殆どの店が閉まっているため、普段に比べると人も少なくかなり静かでした。
そして、コンデュイット・ストリートを通ってサヴィル・ロウの方へ歩いて行くと、前方から凄まじい数のクラクションの音が...
右写真は、コンデュイット・ストリートがリージェント・ストリートとクロスする交差点なのですが、4,50台程のバイクに占拠され、そのバイク達が鳴らすクラクションと、行く手を阻まれたバスや車のクラクションで現場は騒然とした雰囲気でした。
バイクに貼られていたポスターには、「バイクの駐車有料化反対」とあり、今まで指定された場所では無料だったバイクの駐車を有料化する法案が検討されているようです。
バスに乗っていた人達はたまったものじゃなかったでしょうが、「さすがロンドン!」と唸らされる、過激なデモンストレーションでした。

CE SOIR À PARIS

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今、私がいるパリは、あと30分程で日付が変わろうとしています。
昨晩、ミラノからフランクフルト経由の旅の後このホテルに到着したのは、午前1時近く。
直行便がキャンセルになり、事前に知らされていたフライト変更でしたが、ドアトゥードアで9時間以上の長旅にはさすがに疲れました。
そして、今日は夕方まで服地の総合展示会“プルミエール・ヴィジョン”に行っていた為、残念ながら街を散策する時間はあまり取れませんでした。
明日の昼には“ユーロスター”でロンドンに向かうので、今回のパリ滞在は実質今日1日だけの短いものです。
写真は夕食を摂りにオペラ方面に出かけた時の模様。
左上写真は今回宿泊したホテルから程近い“北駅”でのショットですが、パリのメトロの入り口でよく目にするアールデコ調のゲートには、いかにもパリらしい独特の雰囲気があり、初めて見た時から私のお気に入りです。
残りの3枚は、食後に散歩がてらルーヴル美術館まで足を延ばした際に撮りました。
少し散歩をするだけで、こんな光景を街中で当たり前のように目にすることができるパリは、本当に凄い街だと思います。
最後の写真は、ルーヴル美術館の横に架かる橋からセーヌ川(シテ島方面)に臨んだものですが、ロンドン時代の最後(もう8年前になります)に友人達と5人でパリに遊びに来て、シテ島から遊覧船に乗って夜のクルーズを愉しんだ、もう戻れない青春の1ページを思い出しました。
夜のセーヌの風に吹かれながら1人で歩いていると、少しセンチメンタルな気分になってしまいます...

VENEZIA

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日本はもう月曜日の朝ですが、こちらはギリギリでまだ日曜日です。
今晩がミラノ最後の夜で、明日の朝ビエラに移動。明後日の午後には空路パリに向かいます。
さて、昨日はミラノ在住のお知り合いにヴェネチア(ヴェニス)に連れて行っていただきました。
ミラノからは特急で往復5時間の長旅でしたが、街全体が壮大なアミューズメントパークのようなこの“水の都”は、想像以上の美しさでした。
左写真は本島からムラーノ島に向かう船からの眺め、右写真は有名な“サン・マルコ広場”のものです。
ヴェネチアに関しては、後日詳しくご紹介したいと思います。

MILANO UNICA

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ミラノの初日の仕事が終わり、常宿の“ホテルドメニキーノ”に戻ってきました。
夜の会食に出かけるまで、束の間の休息です。
左上写真は、今日訪れた服地の総合展示会、“ミラノウニカ”会場の外観。
その他の写真は、その中の紳士服地展示会“イデアビエラ”の会場内の様子です。
今日は英伊の多くの出展メーカーのブースで商談を行い、有意義な時間を過ごす事ができました。
それでも一日で廻りきることはできないので、明日も朝から会場に行きます。
週末はミラノで過ごし、月曜日にはミラノから車で90分程の距離にあるイタリア服地の産地、ビエラに向かう予定になっています。

EMPIRE MILLS

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今回は、今季の“ブリタニック・コレクション”にその服地が収録されている新登場のメーカーブランド、“エンパイア・ミルズ”をご紹介いたします。
“エンパイア・ミルズ”は、ヨークシャーの大都市リーズの近郊ブラムレーを本拠地とする創業1915年の同族経営ミルで、主に英国国内市場向けにコストパフォーマンスの高い紳士服地を生産してきました。
その生産規模、品質管理共に郡を抜いており、ビジネススケールにおいてもイタリアの大手ミルと肩を並べられる数少ない英国ミルと言えます。
写真は工場内の様子で、左上から時計周りに「WARPING(整経)」、「WEAVING(製織)」、「PERCHING(検反)」、「WAREHOUSE(倉庫)」となっています。
「FINISHING(仕上げ)」は、数倍の価格の高級服地も扱っている外部の提携工場に於いて同様の工程で行なわれる為、“エンパイア・ミルズ”の服地はしっかりとしたボディーを保ちながらもしなやかな質感を持っています。
スーパー110'Sとスーパー100'Sを含む37色柄の魅力的な服地の数々は、“LUXURY SUITINGS Ⅱ(M813)”のバンチ(現在準備中)に収録されておりますので、是非お手にとってご覧下さい。

###お取引先様へのお知らせとお願い###
まだお送りする準備が整っていない為、お手元にお届けするまでもうしばらくお時間を頂戴いたします。ご容赦下さい。
バンチの冊数には限りがある為、各お取引先様の前年のお取引状況に応じて新バンチをご用意させていただいております。
ご希望に添えない場合もありますが、何卒ご理解をお願いいたします。

YORK ②

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素晴らしい文化と多くの歴史的建造物を誇る古都ヨークでは、市内の至る所でその片鱗を見ることができます。
“シティー・センター"と呼ばれる市内中心部のショッピングエリアは、重厚で綺麗な街並みではあるものの、基本的には他の英国の地方都市と変わらないのですが、“ヨーク・ミンスター(ヨーク大聖堂)”近くのあるエリアに行くと、その雰囲気が一変します。
“THE SHAMBLES(ザ・シャンブルズ)”と呼ばれる昔からある細い路地が集まるそのエリアは、古いものでは14世紀頃に建てられたという商店の数々が今でもそのままの姿で残り、しかも現役で使われています。
左写真のインテリア用品店は、綺麗に改装されておりピカピカですが、右写真の特に古い商店の数々は年季の入った外観が独特の雰囲気を醸しだしていて、通りに入ると童話の世界に迷い込んだような気分を味わうことができます。
こういう素晴らしい建物が今でも残っている理由には、地震が少なく、戦時中も空襲の被害がなかったことも挙げられるのですが、なによりも英国人の歴史や文化への敬意の高さがあるように思います。
我々日本人も、英国には学ぶことがまだまだ多くありそうです。

YORK ①

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海外出張シリーズに戻らせていただきます。
今回は、メーカー訪問の合間を縫って訪れた、ヨークシャーの古都ヨークをご紹介いたします。
私にとっては、学生時代に2年間を過ごした大変思い出深い町でもあるのですが、西暦71年に古代ローマ人によって発見されて以来、一時期はイングランドの首都に選定されかけた程の輝かしい歴史を誇るこのヨークは、日本で言うとまさしく京都のような位置付けの重要な都市で、多くの美しい歴史的遺産を今に残していることで知られています。
ヨークは、旧市街地が現在も古代ローマ時代と中世に造られた城壁に囲まれており、昔は城砦都市だった事がうかがえます。
ローマ帝国の統治の後、中世にはヴァイキングによって治められていた時期もあり、“YORK”の名はヴィキングがこの町に付けた名前“JORVIK”に由来しているそうです。
さて、私が住んでいたフラットがある通りは、城壁から通り1本という近さなのですが、城壁をくぐると“ミュージアム・ガーデン”という博物館を有する庭園があります。左上写真が城壁と庭園への入り口、右上写真は庭園内にある古い教会の遺跡です。
ヨークではこのような美しい光景を、町中で当たり前のように見ることができるのですが、この公園は町の中心部への近道だった為、私も毎日のように中を歩いていました。今思えば、なんとも贅沢な環境でした。
下写真は、ヨークが誇るランドマークにして、カンタベリー大聖堂と共に英国国教会の要衝である“ヨーク・ミンスター(ヨーク大聖堂)”です。
町のどこからでも望むことができるこの美しい大聖堂は、1220年から1480年にかけて建設され、当時はヨーロッパ最大規模の聖堂だったそうです。
-続く-

TAYLOR & LODGE

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オーダースーツ業界の方や、洋服好きな方に英国ミルの名前を聞くと、真っ先に挙がるのは“テイラー&ロッヂ”かも知れません。
1883年創業の同ミルは、かなり以前から大手グループの傘下に入っているものの、そのものづくりは織りから仕上げまで全て自社に於いて伝統工法で行なわれており、“テイラー&ロッヂ”服地のクオリティーの高さには現在も定評があります。
長い間同社の顔だった、看板社長のゴードン・ケイ氏は昨年遂に引退されましたが、現在はテキスタイルデザイナー出身の新社長ブライアン・ヘイグ氏と、若きセールス担当ロバート・マックイラン氏が、輝かしい歴史を誇る“テイラー&ロッヂ”を率いています。
今回の出張では、ご同行の若手テーラーさんをご案内する為に、1年ぶり(確か)に同社をお邪魔しました。
左上写真は、ハダスフィールドのタウンセンター(中心部)から程近い“テイラー&ロッヂ”の外観。よく晴れた日でした。
工場内ではたくさんの織機が元気よく稼動しており、最近は見かけることがめっきり減ったシャトル式織機(右上写真)も、サンプル用だけでなく生産用でも使われていました。
ただ、近年はこの織機を整備できる人がいなくなってきており、写真に写っているような熟練職人は貴重な存在です。
“テイラー&ロッヂ”は、工場の横を流れるホルム川の天然水を仕上げに使用することでも知られていますが、“WARPING(整経)”の作業エリアに隣接するドアを開けると、目の前に川の流れを見ることができます(左下写真)。
右下写真は“MENDING(補整)”の様子で、熟練の女性職人が、実際に糸が抜けた部分の補整を実演して下さいました。
こうやって工場訪問をすると、高いクオリティーの服地は、多くの職人や、その卓越した技術によって生み出されているという事を実感することができます。
“テイラー&ロッヂ”の看板クオリティー“SUPER120'S & CASHMERE”は、“A/W 2008 BRITANNIC COLLECTION”の“PREMIUM SUITINGS(M814)”に収録されますので、是非ご覧下さい。

BETTYS

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ヨークシャーの州都ヨークから車で30分程のハロゲートは、「ヨークシャー一豊かな町」と称され、富裕層が住む風光明媚な町として全英でその名を知られています。
そのハロゲートを本拠地とする紅茶とコーヒーのメーカー“TAYLORS OF HARROGATE(テイラーズ オブ ハロゲート)”は、1886年創業の名門メーカーで、全英で販売されている有名な“YORKSHIRE TEA(ヨークシャー・ティー)”を始め、直営ティールーム“BETTYS(ベティーズ)”や有名百貨店で販売される“テイラーズ オブ ハロゲート”ブランドの紅茶とコーヒーが高い評価を得ています。
ハロゲートの“ベティーズ”旗艦店(左上写真)には、ヨークシャーに住んでいた頃毎週の様に通い、私の好物のアールグレーを愉しんだものでした。
今回はハロゲートで夕食をご馳走していただく機会があったので、その前にジョン・ゴント氏、同行のお取引先様との3人で久しぶりに“ベティーズ”に行って来ました。
夕方からはピアノの演奏も始まるゆったりとしたサロンは、この日も賑わっていました(右上写真)。
美味しいアールグレーとケーキを前に、同行のお二人もすっかりリラックスモード(左下写真)。
日本で飲んでも美味しいのですが、やはりヨークシャーの水から沸かしたお湯で淹れるのが一番なようです。